10分でわかる経済の仕組み。最もわかりやすいお金の仕組みと本質

この記事はアメリカの著名な投資ファンドの創業者「レイ・ダリオ」の「30分でわかる経済の仕組み」を参考に記載しています。

経済に関して様々な考え方に接してきましたが、この考え方が最もシンプルで真理だと考えてます。この記事では、経済の重要なエッセンスに絞って可能な限りシンプルに経済を捉えることを目的とします。レイ・ダリオ氏の「30分でわかる経済の仕組み」はこちらから視聴する事ができます。(→動画

なお現代の経済の構造をより深く理解するには、経済学が非常に役立ちます。長い歴史をかけて構築されてきた理論を理解することができます。

わかりやすい経済学 – 古典経済学から近代経済学まで10分でざっくり解説

経済とは取引の積み重ね

経済の最も小さな構成要素は取引です。

取引とは、買い手が「お金」と「クレジット」を提供し、それと引き換えに、売り手が「物品」「サービス」「資産」を提供する一連の流れです。

クレジットって何?
クレジットとは、簡単にいうと「借金」のことです。

世の中の取引の多くは、将来に返済することを約束し、「その借金」「商品」を取引します。例えば、現在あなたが100万円を持っていなかったとしても、「100万円を将来払うという借金(クレジット)」「100万円の商品」を交換できますよね。世の中の取引の多くはクレジットと商品を交換しています。

そして、この取引が何度も何度も繰り返され、連鎖することによって、経済が成立しています。とても簡単です。

取引の重要な要素はクレジット

繰り返しますが、取引とは「お金」と「クレジット」を「物品」「サービス」「資産」と交換することです。

この取引において、お金よりもクレジットの方が重要な役割を担っています。クレジットとは簡単に言うと借金ですから、どれだけお金を借りれるかが経済を押し上げます。

アメリカでは、市場に出回っているお金は3兆ドルで、クレジットは50兆ドルと言われています。クレジットが経済のどれだけ重要な構成要素か、理解することができると思います。

誰かの支出は誰かの所得

なぜクレジットが経済において重要な要素なのかを、より詳しく見ていきます。取引は、「お金」と「クレジット」を「物品」「サービス」「資産」と交換することです。

つまり、誰かがお金とクレジットを消費すると、誰かの所得が増えます。

所得が増えれば、もっと借りることができますから、さらに支出を増やすことができます。これが経済を押し上げるのです。

経済を決めるのは借りやすさ

クレジット = 借金をどれだけしやすいかが、経済を押し上げています。

政府は、中央銀行からお金を借り、そのお金を支出することで景気を刺激します。政府は最も大きな取引を行う最大手で、借金する量も、支出する量も莫大です。

また普段私たちが接する市中銀行(UFJ銀行等)も中央銀行からお金を借りることができます。

政府は公共サービスやインフラにお金を支出することで経済を刺激します。また市中銀行は企業や投資家にお金を貸す、つまりクレジットを増加させることによって経済活動を活発化させます。

中央銀行の役割は利子のコントロール

中央銀行の役割は、利子をコントロールすることで景気を安定させることです。この仕組みはとても簡単です。

借金返済の利子が高ければ、政府や銀行は中央銀行からお金を借りることができません。逆に利子が低くなればお金をたくさん借りることができます。

中央銀行は、インフレを察知すると利子を引き上げます。逆に、デフレに傾けば利子を引き下げ、支出を増やします。

中央銀行の仕組みについては関しては下記のリンクで解説しています。

10分で分かる中央銀行の仕組み。中央銀行と紙幣の歴史

クレジットは長期では長続きしない

経済はクレジットの総量で決まると行っても過言ではありません。お金を借りやすければ、景気がよくなります。逆に借りにくくなると支出が減り、つまり、誰かの収入が減り景気が悪くなります。

しかし、経済の最も重要な要素であるクレジットは、短期的な景気に最も強い影響を与える要素ですが、長期では関連がありません。

長期の経済の成長は、生産量の増加です。生産効率が高まれば、収入が増やせ豊かになります。お米を1kgしか作れない農家が2kg作れるようになれば収入は2倍です。長期的には、経済は生産量の増加曲線に収束します。

なぜなら、クレジットは将来の支出を前借りしているだけだからです。クレジットでの経済の拡大は必ずどこかで折り返します。これが経済の波を作り上げているのです。

経済活動における三原則

クレジットは、短期的には経済の重要な要素ですが、長期的には生産性が重要な役割を担います。

レイ・ダリオは、経済活動における三原則として下記のことを提唱しています。

  1. 所得より早く債務を増加させない。でないと債務負担が耐えきれなくなります。
  2. 所得を生産性より早く増加させない。そうなると競争力が弱くなります。
  3. 生産性を向上させる努力を惜しんではいけない。

まとめ

以上がレイ・ダリオ氏の提唱した経済観をベースにシンプルに経済について記載しました。ちなみにレイ・ダリオはこの考えを発展させ、政府の経済政策に対して提言をしています。詳しく知りたい方は下記のリンクで解説しています。

金融政策3(MP3)とMMT(現代貨幣理論)のレイ・ダリオの主張を和訳

個人的には経済においてとても重要な要素は「利子」だと思っています。利子の誕生は今より600年前のイタリアで生まれたと今れていますが、利子は時間によってお金を生み出すいわば錬金術です。利子の増減によってクレジットの総量が決まり景気がダイナミックに動くのが経済動向です。

しかし、生産性が増加しなければ、いずれ経済は縮小します。リーマンショックは低所得者に多くの借金=クレジットを背負わせる事で拡大した経済が弾けた瞬間でもありました。リーマンショックについて詳しく知りたい方は、下記のリンクで解説しています。

リーマンショックをわかりやすく解説 – 原因や影響を10分で簡単に説明 –

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