10分でわかるマルクスの資本論 -初心者にもわかりやすく解説-

私たちが所属する社会は資本主義社会ですが、資本主義社会の正体とは何なのでしょうか?マルクスの資本論は資本主義の本質を明らかにするとともに、問題点を指摘しました。経済成長が鈍化した現代で如実に現れた問題をマルクスは予言していたようです。

クリトピさん

この記事ではマルクスの資本論のエッセンスを10分で理解できるようにまとめています。非常に難解な資本論ですが、下記の本は非常にわかりやすいです。さすが池上さん。この記事も参考に記載しています。

社会の富は商品の集合体

マルクスの資本論の最初の一文は、この言葉から始まります。

資本論:序文
資本主義生産様式が君臨する社会では、社会の富は、巨大な富の集合体である。したがって、私は商品の研究から始まる

つまり、資本主義社会の富は、商品の集まりなので、その商品を分析して資本主義を解明しよう!
ということです。この世の中は、商品であふれています。コンビニでもスーパーでもたくさんの商品が並んでいます。でもそもそも商品ってなんなんだろう?商品を解明したら資本主義が解明できるんじゃないか?というところから資本論はスタートします。

使用価値と交換価値

商品とは何か?マルクスは商品は使用価値と交換価値があると述べています。

  • 使用価値
    商品を使用した時の価値です。使えなければ意味がありません。
  • 交換価値
    商品は他のものと交換するための価値です。
    我々は、商品同士を交換することはないですが、例えば古いスマホと、最新のスマホを交換してほしいと頼まれたら、交換しないですよね。ただ、もしも、この古いスマホにPCも付けたら交換するかもしれません。
    つまり商品には、その裏側にイコール結べる価値があるはずだとマルクスは考えました。

︎全ての商品と交換できる貨幣の登場

商品には交換価値があると述べました。
その中でどんなものでも交換可能な商品が出てきます。それが貨幣だとマルクスは言っています。
貨幣は商品と違い、腐りませんし、交換に非常に便利でした。

この貨幣ですが、1600年ごろから中央銀行が発行するシステムが出来上がりました。中央銀行の仕組みについて詳しく知りたい方は下記のリンクで解説しています。

10分で分かる中央銀行の仕組み。中央銀行と紙幣の歴史

労働力の正体

例えば、テレビを5万円で買ったとします。テレビは5万円以上の価値になることはありません。
ただし、購入することでそれ以上の価値を生み出す商品があります。
それが労働力だとマルクスは述べています。資本家は労働力を買います。つまり、月給20万円で誰かを雇ったとします。

労働者が20万円分の仕事しかしなければ会社は潰れてしまいます。つまりそれ以上の労働をしているわけです。
マルクスは、純粋な疑問を労働という商品に抱きました。

剰余価値が生まれる

つまり労働者は、労働賃金以上の働きをしているわけです。この労働賃金以上の価値をマルクスは剰余価値と呼びました。
資本家はこの剰余価値なるべく最大化することが目的であると述べます。

お金からお金を生む運動

初めは商品を作り、お金を得て、商品を買っていました。商品→お金→商品の流れでした。
その中で、資本家はお金→商品→お金’という運動をしています。つまり、お金で労働力を買い、商品に剰余価値をプラスして売ることで、お金を増やすというサイクルです。
この運動を繰り返すことで資本家は、どんどんお金を蓄積していくことになるのです。

二種類の剰余価値

マルクスは剰余価値には二種類あると述べています。一つ目が、絶対的剰余価値です。二つ目が、相対的剰余価値です。
絶対的剰余価値は、単純に労働時間を増やすことです。つまり、なるべく長時間働かせようとします。しかし働かせすぎて、病気になって仕事ができなくなってしまっては困るので、労働力を再生産できる最低限の休みを与えるようにしました。労働力の再生産とは、また元気になって働いてくれる状態になるということです。
相対的剰余価値は、生産性を上げることによって市場の商品を安くして、労働力の再生産費用を安くする(=給与を安くする)ことです。
例えば、1日の生活費が1万円でした。もし、商品が安くなって生活費が5千円になれば1日の生活費が安くなるので、給与も少なくて済みます。

  1. 絶対的剰余価値
    労働者の労働時間を増やす事で高める事ができる
  2.  相対的剰余価値
    生産性を上げることによって市場の商品を安くして、労働力の再生産費用を安くする(=給与を安くする)事で高める事ができる

避けられない大規模化

労働力の剰余価値を最大化しようとすると、多くの人を一つの場所に集めて仕事をさせた方がよいとマルクスは述べています。
仮に10人が別々な場所で10時間働けば、10×10で100時間ですが、同じ場所で働くと100時間以上の価値が生まれると言っています。

これは当たり前です。なぜなら下手な人は上手い人に習うことができますし、競争意識や、協力意識などが生まれるからです。マルクスは人間は社会的な生き物なので、この大規模化による効率化は避けることができないと述べています。

反旗をひるがえす労働者

大規模化して、労働者の大勢が同じ場所で働き出すと、資本家に対して労働者は対抗するようになるとマルクスは述べています。
資本家は、最大限働いてもらいたいですが、労働者はなるべく楽して稼ぎたいはずです。
数人規模の会社であれば、抑え込むこともできますが、大規模化することで、この争いは避けられないとマルクスは述べます。

日本でも大企業になればなるほど、労働組合との争いも多くあります。

資本蓄積は独占を生む

労働者が生み出した剰余価値は資本家のみに蓄積していき、労働者に還元されることはありません。
なぜでしょうか?
仮に生み出した剰余価値を、労働者に還元したとします。商品はその分高くなるわけです。すると、競合他社に価格で負けてしまいます。

また、自由競争によって剰余価値の最大化を求めた結果として、大規模化していき、最終的には最大効率で生産できる数社のみ残る独占へと変わっていきます。

なお資本蓄積の概念についてより深く知りたい方は下記のリンクで掘り下げて解説しています。

資本蓄積をわかりやすく解説!マルクスの資本論を読み解く

︎資本家と労働者の対立

剰余価値を高めるために、大規模化し生産性を高め、自由競争をした先に待ち受けるのは独占です。
独占が進むと、労働者は悪い労働条件でも飲まなくてはいけません。
なぜなら、他に働き口がないからです。
そうなれば労働者は貧しいままで、資本家はますます資本を蓄えることになります。マルクスはこの矛盾を「弔いの鐘」といって資本主義の終わりが来ると述べました。

まとめ

マルクスの資本論について、エッセンスのみまとめました。実はマルクスは資本論は、原題はDes Capitalで「資本」というタイトルでした。マルクスは資本の正体とはどのようなものなのかを突き止めようとしました。
最後と結論で「弔いの鐘」がなると資本主義の終焉を予想したマルクス。現在に照らし合わるとどうでしょう?

GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)が経済の覇権を握っているとも言われています。余剰価値の効率化が独占を生んでいます。労働者と資本家の経済格差は広がるばかりです。マルクスはまさに、現在の状況を予言していたようです。

資本論で資本主義をマルクスは批判した一方で、経済学者ケインズは適切に政府が介入して財政政策を行えば景気の安定は可能だと述べました。ケインズの雇用・利子および貨幣の一般理論については下記で解説しています。

【入門】5分でわかるケインズの雇用・利子および貨幣の一般理論

おすすめの本:より深く理解したい方は

この記事は、下記の「高校生からわかる資本論」を参考に記載しています。資本論についてより深く理解したい方は読むことをおすすめします。池上さんが、わかりやすい具体例たっぷりで解説してくれています。個人的には資本論本の中で圧倒的にNo1です!


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