リップル社が発行するXRPは、2019年からズルズルと価格が下がり、現在では30円以下で推移しています。
ビットコインが、2019年に大きく回復しているにも関わらず、XRPの価格が奮いません。
この記事では、なぜXRPがここまで価格が低迷しているのか詳しく解説していきます。この記事を読めば、リップル社の膨大な売り圧を理解できるはずです。
価格決定の大前提
暗号通貨の価格を決定する大きな要因は、「需要」と「供給」です。ミクロ経済学で学びましたよね。
需要が高まる、つまり、そのトークンを欲しいと思う人が多ければ価格は上昇します。
一方で、供給が多ければ、つまり、発行数量が多ければ価格は下落します。それら2つが結ばれる点で、価格は決定すると言うメカニズムです。
10分でわかるミクロ経済学 – 需要曲線や供給曲線をわかりやすく解説当たり前の話ですが、仮想通貨の話になるとなぜか、この観点が抜け落ちるため、説明しておきます。
つまり、XRPが「どれだけ需要があって」そして「どれだけ供給されているか」見ることは、価格にとって大切な観点です。よいですか?
リップル社の将来性とXRPの価格は関係ありません。もし、リップル社の将来性を買っているなら、リップル社の株を買いましょう。価格で大切なのは、「需要」と「供給」です。
XRPの需要は? 限定的な需要しか存在しない
ではXRPの需要とは何なのでしょうか? 大きく分けて下記の2つと考えられます。
- 銀行送金に使用されるXRP - いわゆる実需
- 値上がり期待による需要
❶. 銀行送金に使用されるXRP - いわゆる実需
XRPの実需は、現在のところ、銀行送金に使用されるXRPと言えそうです。では銀行送金される額全てがXRPに置き換わるのか?というとそうではありません。
下記記事で詳しく解説していますが、ある法定通貨を送金したい場合は、一瞬だけXRPに変換して、送金が完了したら、すぐに法定通貨に戻すからです。
リップル(XRP)が将来的にもう上がらない8つの理由【2020】つまり、XRPを保持しているメリットはありませんから、価格への寄与は限定的でしょう。多くのユティリティトークンは、この現実に直面しておりETHでは、PoSへ移行しようとしたり、別のやり方を模索したりしています。
もし、価格の上昇を期待するのであれば、リップル社が新たなトークンエコノミーを提示なくして起こり得ません。
❷. 値上がり期待による需要
これは投資というよりは、投機ですが、もはやXRPは、ここの需要に期待するほかありません。
例えば、有名な取引所へXRPを上場させるといったことです。しかし、バブルの崩壊を一度経験していますから、売り抜けたいという人が多くいる状況下で、この需要だけでは価格の上昇は限定的でしょう。
XRPの供給は? 圧倒的な売り圧の存在
XRPは、ものすごい勢いで市場に放出されています。ビットコインやイーサリアムと比較して、圧倒的にインフレしています。
XRPの年間インフレ率は27.98%これに加えて、寄付やら投資やらがプラスされる。一方BTCは3.62%
どっちが健全かわかるよね? pic.twitter.com/URaZbzEk5t— クリトピ@仮想通貨と経済学ブログ (@cryptopix_san) August 21, 2019
XRPは、おおよそ年間のインフレ率が30%近くであり、エスクローによる売却制限など、つゆ知らず、売却制限がガバガバです。
ビットコインが3.62%なのに対して、XRPは27.98%ですよ。
つまり、どういうことかと言うと、市場に出回るXRPが毎年30%近く増加していくということです。3年したら2倍近くにXRPが増えていくわけです。それが膨大な売り圧として襲いかかります。
では、このXRPは何に使われているのかと言えば、単にリップル社の事業資金です。下記のツイートで言及されています。
2018年
国際送金の実需の塊のSWIFTの純利益34百万ユーロ(約40億円)
実需皆無で $XRP token売り抜けを1年間行ったRipple Lab 535百万ドル(売上570億円)2019年
Q1+Q2=421百万ドル(売上450億円)
Q3で去年の売上を突破予定国際送(集)金ってえらく羽振りがよく儲かるんですね。
知りませんでした😇 pic.twitter.com/do8GqPN7gg— べーすけ😇Sell XRP📉 HODL Ripple📈 (@SatoshiVisioner) August 22, 2019
つまり、リップル社はXRPの売却で莫大な利益を上げています。なんて美味しいビジネスなんでしょう。まさに「打ち出の小槌」です。
リップル社のこの「打ち出の小槌的な」ビジネスモデルについて詳しくは下記のリンクで解説しています。
XRP(リップル)は詐欺(スキャム)なのか? ビジネスモデルを図解では、ただでさえ売り圧が凄まじいわけですが、リップル社が生み出す売り圧はこれだけではありません。
大学に寄付したり、身内企業に寄付したりしています。これは、ロックアップの対象外であり、制限はありませんから事実上いくらでも、XRPを売却可能です。
参考 リップル、コンテンツ制作者向けプラットフォームのコイルを支援 仮想通貨XRP普及目指すcointelegraph上記はCoilと言う少額決済プラットフォームへ10億XRP(277億円)の助成金を与えています。ちなみに、このCoilと言う会社はリップル社の元CTOが作った会社です。身内企業にこれだけの寄付をしています。
参考 仮想通貨で過去最大の寄付金 リップル共同創業者、サンフランシスコ州立大学に巨額XRPを寄付cointelegraphまた大学にも寄付を行っています。なんと27億円相当のXRPが寄付されています。これもすぐに現金化されるでしょう。
つまり、XRPは、ロックアップされているとは言えガバガバであり、制限がないに等しいです。さらには、親族企業へ融資したり、学校へ寄付したりしています。とても健全とは思えません。
XRPがもし、株式であれば、株主として文句を言うことができるでしょう。しかし、XRPを持っていても泣き寝入りするしかないのが現状です。
アメリカでは裁判になっていますが。
参考 米リップル集団訴訟「XRP有価証券問題」、原告団がSECの新仮想通貨ガイダンスを引用coin postちなみにXRPの過去のチャートを分析すれば供給量の重要性が一目瞭然です。価格に最もポジティブな影響を与えたのは、ロックアップ(XRPの売却制限)を決定した時です。どんなに銀行との提携を発表しようが、価格はほとんど動いていません。詳しくは下記のリンクで解説しています。
リップル(XRP)の過去のチャートをイベントや出来事とともに振り返る【2019年版】結論 XRPの価格上昇は他の通貨と比較して相当厳しい
XRPは、需要があまりにも小さいです。xRapidは、ほとんど採用されていませんし、中間通貨として保持するメリットがないので、すぐに売られ時価総額に寄与しません。
さらに、BTCの10倍近くの売り圧にさらされています。インフレ率30%ですよ。そして、不透明な投資やら寄付が行われXRPの現金化を加速させます。
この状況下ではXRPの上昇はかなり難しいでしょう。需要は、新規参入という限定的な需要に賭けるしかありません。しかし、それも、膨大な売り圧によって打ち消されるでしょう。
XRP社にお布施するつもりなら良いかもしれませんが、もし投資でリターンを期待したいのであれば、リップル社が明確にXRP保持のメリットを提示し、さらに供給量についての考えを改めるまで待った方が賢明でしょう。
なお、リップル社の将来性について悲観しているわけではありません。もしリップル社に将来性を感じるのであればXRPではなく間違いなくリップル社の株式を購入する方が賢明でしょう。
投資をするならビットコイン以外考えられない
もしあなたが、これから仮想通貨に投資しようと考えているのであれば「ビットコイン(BTC)」以外はあり得ないでしょう。
多くの記事が、リップルの将来性やXRPの値上がりを期待させるようなものばかりですが、この記事で説明した通りXRPへの投資はリスキーです。
一方で、ビットコインは仮想通貨の中で唯一「価値の保存(SoV)」として機能しています。詳しくは下記の記事で解説していますが、ビットコインはデジタルゴールドとして確固たる地位を確立するでしょう。リップル社が大量のXRPを保有し、いわば好き勝手に使うような中央集権通貨ではなく、高度に分散化されているビットコインを購入する方が投資先としては賢明でしょう。
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クリトピ