5分でわかる「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」

マックス・ウェーバーが書いた「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は、資本主義経済に順応し発展を遂げた国と、そうでない国の間には宗教的な価値観の違いがあると述べました。
この記事を読めば、世界に多大な影響を与えたこの書籍について、5分で要点を理解することができます。

マックス・ウェーバーとは?

マックス・ウェーバードイツの社会学者で、政治学・経済学・歴史学など社会科学全般にわたる業績を残しています。彼の著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は、社会学・経済学に多大な影響を与えました。

プロテスタントは経済の達人?

マックスウェーバーは、ヨーロッパにおいて、キリスト教のプロテスタントを信仰する国は、経済発展を遂げやすい傾向にあると説きました。
逆に、経済的にうまく言っていない国は、カトリックやギリシャ正教会などの宗教の国々です。

ヨーロッパの経済危機


記憶にまだ新しい2013年に、ヨーロッパの経済危機が起きました。この経済危機を引き起こした国々はPIIGSと呼ばれる国々です。

PIIGSとは、

P:ポルトガル
I:アイルランド
I:イタリア
G:ギリシャ
S:スペイン

のことを言います。

これらの国々は、全てプロテスタン以外の宗教を信仰しています。ギリシャは、ギリシャ正教会を信仰し、それ以外のポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインはカトリックです。

資本主義における経済発展と、宗教の信仰は密接に関係しているといえそうだと、マックスウェーバーは考えました。

カトリックとはどんな宗教?

カトリックの経済的な観点から見た特徴として、巨大な組織のローマ教皇があり、進んで教会に寄進することで天国に行けるという考え方です。
寄進する代わりに、免罪符を受け取り、その数によって天国に行けるかが決まるという考え方です。

このような考え方を、教会の腐食だと違を唱える人が現れます。宗教改革を推し進めて、後にプロテスタントを立ち上げるマルティンルターです。

プロテスタントとはなにか?

寄進することだけで、天国に行けるとするカトリックの考え方を教会の腐食だとして、マルティンルターとカルヴァンは批判しました。お金を払っただけ天国に行けるという考え方は、民衆の多大な批判も呼びました。

そこでルターとカルヴァンは、新しい価値観に基づいた、プロテスタントを立ち上げました。

予定説:プロテスタントの価値観

プロテスタントの重要な考え方として予定説があります。予定説とは人は生まれながらにして、神に救われるかどうかは決定しているんだという考え方です。
教会にいくら寄進したとしても、関係はなく神に選ばれているものだけが天国に行けるのだ、と説きました。

プロテスタントは不安だらけ


プロテスタントの信者たちは、神に救われるかどうか確認するすべがありません。そのため毎日不安に苛まれました。
カトリックと異なり、誰でも寄進をすれば報われるわけではないので、自分は救われると神に定められているのか、確認しようとしました。

天職が神からの啓示

カルヴァンは「神様は、予定説によって、救われると定めた人に、使命を与えている」と考えました。プロテスタントは、職業を天職と捉え、神様から与えられた使命だと捉えました。

この考え方により、プロテスタントは神に救われるかどうか確認したい一心で、一生懸命働きました。
懸命に働いて、職業という使命を全うすることができれば、神から選ばれしものなのだと考えることができるからです。

生産は拡大していく

プロテスタントは、とにかく不安で一生懸命働きました。
一生懸命働くので、たくさんお金が貯まります。たくさんお金が貯まったら、パーっと浪費するのかと思いますが、プロテスタントは違います。そのお金を使ってもっと天職を全うできるようにしようとしました。

つまり、布を作る職人であれば

  • 設備に投資してもっと生産できるようにする
  • 労働者を雇ってもっと生産する
  • 他の事業も拡大する

というように、どんどん生産量を増やしていきました。マルクスの資本論で解説したように、資本主義とプロテスタントの倫理観はとても相性が良かったのです。

10分でわかるマルクスの資本論 -初心者にもわかりやすく解説-

プロテスタントはアメリカに渡る

プロテスタントは、ヨーロッパにおいて宗教的な弾圧を受けてアメリカに渡りました。
しかし、マックスウェーバーはアメリカにプロテスタントが渡る際に、宗教的な背景が抜け落ちて、資本主義的精神だけ生き残ったと説きました。

その理由として、プロテスタントは、はじめこそ宗教的な背景から勤勉に働いていましたが、そのような社会が出来上がると、その勤勉さのみが子供へと受け継がれていくからです。アメリカへ渡った人たちは、プロテスタントの第2世代のような人々だったと言われています。

日本人はなぜ勤勉か?

日本人はなぜ勤勉なのでしょうか?
アメリカに渡ったプロテスタントも、その勤勉さは元を辿れば宗教的背景がありまふが、世代が移り変わるにつれて失われていきました。
日本人も勤勉さも、元はと言えば宗教的なものや言い伝えによるのかもしれません。しかし現代の人にとっては、勤勉さは文化的な抑圧の鎖として生きにくくしているのかもしれません。

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