5分でわかるシュンペーターの「経済発展の理論」。イノベーション理論わかりやすく解説

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターはオーストリア出身の経済学者で、イノベーション理論の先駆け的な存在です。

経済発展は、企業者が断続的に行うイノベーション(技術革新)によってもたらされるという理論を構築しました。このイノベーションについて、「経済発展の理論」では鋭い洞察をしています。まるでインターネット革命やiPhoneを予期していたとまで言われるほどです。

この記事では、シュンペーターの「経済発展の理論」を可能な限りわかりやすく解説します。原文は非常に難解ですが、要点を絞り解説します。


なお下記の記事にて経済学の歴史的な流れをざっくりと解説しています。大きな経済学の流れを知ると、この記事の理論もより理解ができるかと思います。

わかりやすい経済学 – 古典経済学から近代経済学まで10分でざっくり解説

シュンペーターとは?

シュンペーターは、若くして様々な領域において類まれな才能を発揮した人物です。

彼は、オーストリアに生まれ、1906年にウィーン大学卒業し、1909年以後は、チェルノビッツ大学、グラーツ大学の教授を務めました。

その後、1919年にオーストリアの K.レンナー内閣大蔵相を務めたのち、1921~1924年ビーダーマン銀行総裁、1925年にはボン大学教授を務めました。

1932年以降ハーバード大学教授を務め、さらにはアメリカ計量経済学会創立し、1937~1941年には学会長を務めました。ほかにアメリカ経済学協会会長,国際経済学協会初代会長などを歴任しました。

彼のすごいところは、20代ですでに「理論経済学の本質と主要内容」 「経済発展の理論」を発表して,みずからの体系を確立していたところです。非常に優秀な人物でした。

シュンペーターの経済発展の理論

シュンペーターは、「イノベーションがもたらす劇的な変化」こそが経済発展の主要因だと説きました。さらには、それは「自発的な変化」によってのみ発展すると説きます。

例えば、人口が増加するといったことは、「自発的な変化」ではありません。さらには植民地支配によって、コーヒー栽培のみ行い豊かになることも自発的な変化とは言えません。

シュンペーターのイノベーションの考え方

シュンペーターは、イノベーションは「通常の経済循環からの軌道変更」だと述べています。

通常の経済循環が「連続的な変化」ならば、イノベーションは「非連続的な変化」です。つまり、簡単に言うと今まで当たり前と考えられてきた物事とは、全く別の考えや価値が生まれるということです。

また「イノベーションは企業者によってもたらされる」としています。

企業者は別に経営者という意味ではありません。「ものを生産する立場の人」のことを言います。例えば「技術者」や「発明家」などがそれに当たります。

シュンペーターのイノベーションの定義と5つの例

シュンペーターはイノベーションの定義を「新しいものを生産すること」と「既存のものを新しい方法で生産すること」とした上で、5つの例を挙げています。

  1. 新製品の開発: iPhoneやパソコンなど
  2. 新生産方式の導入: トヨタ生産方式など
  3. 新しい市場の開拓
  4. 新たな資源の供給源の獲得: 原材料の供給源など
  5. 組織の改革: 水平的組織に変革など

さらには、イノベーションは「旧いもの」と並行して現れると説きます。

例えばiPhoneなども、ガラケーと共存しつつ淘汰していった経緯から分かるように、いきなり入れ替わることはありません。

企業者の資質はどうあるべきか?

企業者は、資本力があるわけでもなければ、立場が偉いわけでもありません。

そのため、自分が信じるイノベーションを遂行するのは非常に困難であると述べています。そういった困難に立ち向かうべき資質についても述べています。(経済学というより、ビジネス書のようですね)

企業者の持つべき資質
① 何が起きるかわからなくても行動するべき
② 新しいことに反抗し、慣習に戻ろうとする人に立ち向かうべき
③ 社会環境からの抵抗(法律や政治的な妨害など)

これらを乗り越えることができる、強いリーダーシップが必要であると述べています。スティーブ・ジョブズもそのような資質を持つ数少ない人のうちの1人ですね。

まとめ

シュンペーターの経済発展の理論について解説しました。非常に古い本ですが、イノベーション理論の先駆けとなりました。

いまでこそ、継続的なイノベーションが経済発展をさせていると、認識している人が多いですが、当時としてはかなり新しい考え方でした。

企業者の資質までも述べるとは、今読んでもなるほどなと思えますし、より詳しく知りたい方は原文を読んでみることもお勧めします。

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