ビットコインSVは、ビットコインキャッシュ (BCH)からハードフォークした仮想通貨です。2018年の11月に誕生しました。
ビットコインSVコミュニティは、ハードフォークの際に、敵対的なハッシュウォーを仕掛け、仮想通貨市場全体の信頼性が疑われる事態となりました。
この記事では、ビットコインSVは詐欺通貨に過ぎず、投資すべきではない根拠を4つ提示します。日本の記事では、将来性が高いと書かれているものもありますが、全くといっていいほど根拠が乏しいです。
ビットコインSVとは何か
ビットコインSVとは、ビットコインキャッシュ (BCH)から分岐したフォークコインです。
SVとはSatoshi Visionの頭文字です。サトシとは、あのサトシナカモトのことで、ビットコインを生み出した人物です。
ビットコインSVは、「自らがサトシナカモトである」と宣言するクレイグ・ライトと呼ばれる人物によって進められました。正体不明であるはずがです。
クレイグ・ライト氏は、サトシの目指していたビットコインを作り出すとビジョンを掲げ、敵対的なフォークが行われました。
ビットコインSVが詐欺である4つの理由
ビットコインSVは、確実にスキャムです。
もし投資しようと思っているなら、やめておくことが賢明です。大切な資産をドブに捨てることになります。
この記事では、なぜビットコインSVに投資すべきでないか4つの理由を順番に説明します。理由は下記の通りです。
- クレイグ・ライトはサトシナカモトではない
- 多くの著名人がスキャムであると断言
- 取引所の多くが上場を停止
- BSVはバグだらけである
❶. クレイグ・ライトはサトシナカモトではない
クレイグ・ライト氏が、本当にサトシナカモトだと信じている人がいるなら、改めるべきです。
海外のコミュニティ、さらにはウィキリークスまでもが調査に乗り出し、膨大な反例が示されています。この証拠を提示されて、それでもなおクレイグ・ライトをサトシナカモトだと思う人はいないでしょう。
下記がその根拠のほんの一部です。
クレイグ・ライト氏はオーストラリア政府から不正に資金を得るため偽装
クレイグ・ライト氏は、オーストラリア減税制度を不正利用した罪で、罰金措置を受けています。
オーストラリア税務局(ATO)に、偽のビットコイン信託を捏造し、コンピューターの購入代金などの名目で370万豪ドルあまりのお金を騙しとりました。
クレイグ・ライト氏は、税金の返金と罰金の支払いで合わせて570万豪ドル(現在日本円で約4億5000万円)の支払い命令を受けました。
ブログポストの改ざん
クレイグ・ライト氏は2015年に自身の過去のブログ記事を改ざんしています。
改ざんされたのは2008年8月のブログ記事で、改ざんがあったのは2015年です。ビットコイン論文が発表される直前に、すでにビットコイン論文に関わっていた様に見せかける為の偽装だと疑われています。
2014年のブログ(アーカイブ)2015年のブログ(アーカイブ)
PGP鍵を改ざん
上記の減税の不正利用の件で、オーストラリア政府から家宅捜索を受けている最中に、Gizmode紙とWired紙が、クレイグ・ライトがサトシナカモトである重要な証拠を入手したという記事を発表しました。
その強力な証拠だったPGP鍵ですが、すぐさま、有志によって調査され、それが不正に改ざんされたものだと判明しました。
参考:Appeal-to-Authority-a-Failure-of-Trust
その後、GizmodeとWiredはスクープ内容について訂正する記事を公表しました。
ブログで署名を偽造
クレイグライト氏は、BBCへ出演しナカモトサトシを自称した後、自身のブログにサトシナカモトである事の証明として署名を行いました。
サトシナカモトしか知らない秘密鍵を用いて証明を行なったと宣言しましたが、ビットコインコミュニティからすぐに疑問が上がり、それが偽造であることが判明しました。
BlackNet論文の日時を偽造
クレイグライト氏はMetanetと言われるプロジェクトの前進であるとされるBlackNetの論文の日時を偽装し、自分がビットコイン論文を書いたように見せかけました。
そのように偽装したかの証明は、下記のBitcoin forumで説明されています。
参考 SCAM: Bitcoin SV (BSV) - fake team member and plagiarized white paperBitcoin Forum簡単に言うと、サトシナカモトがBitcoin Witepaperの前身となる「下書き」から、Bitcoin Whitepaperまでで修正されている文言が、なぜか、その「下書き」以前に書かれたとクレイグライトが主張するBlack Netにも含まれていたと言うものです。
サトシナカモトは、下書きからホワイトペーパーまで、言い回しまで丁寧に気をつけながら修正を施していますが、その下書き以前に発表したとされるクレイグライトの論文は、その言い回しがすでに直されています。
ここまでの偶然があり得るでしょうか?
まとめると、クレイグ・ライト氏は
- 膨大な罰金をオーストラリア政府に払わなくてはいけなかった
- 突如としてサトシナカモトと名乗り、メディアに出演し始めた
- 数々の手の込んだ偽装によって成りすまそうとした
つまり、資金面で困窮したために、サトシナカモトと名乗り始めたと考えるのが自然です。
詳しくは、The Satoshi Affairという著書に書かれているので、言及は避けますが、実際にクレイグ・ライトは、サトシナカモトと名乗ることで150万ドルの資金を得ていたそうです。
❷. 多くの著名人がスキャムであると断言
ビットコインSVは、多くの人によって批判されています。
特に、イーサリアムの創業者である「ヴィタリク・ブテリン氏」によって、強く批判されており、「クレイグ・ライト氏は、ビットコインキャッシュコミュニティにとって危険であり排斥すべきだ」とツイートしています。
また、ビットコインキャッシュのプロモーターである「ロジャー・バー」は、クレイグ・ライトに騙された・詐欺師だと発言しています。
参考 ロジャー・バー氏、クレイグ・ライト氏に「騙された」と言及AppTimes❸. 取引所の多くが上場を停止
ビットコインSVは、主要な取引所の多くが取り扱いを停止しています。
- バイナンス
- コインベース
- Gemini
- Blockchain.com
- Kraken
特にバイナンスは豊富な取り扱い通貨種類を誇る取引所です。その取引所が、自らのポリシーに反するとして取り扱いを停止しています。その他の大手取引所も取り扱いを行なっていません。
もちろん、国内取引所は全て取り扱いをしていません。
❹. BSVはバグだらけである
ビットコインSVは、開発については、全くビジョンがありません。それどころか開発力を有していません。
2019年7月にアップデートがなされましたが、バグだらけで、正確に動いていません。これだけ貧弱なコミュニティが開発する通貨に、あなたの大切な資産を預けて良いのでしょうか?
参考 Bitcoin SV、バグの可能性BTCN少なくともビットコイン(BTC)は多くなバグが起こらぬよう膨大なデバッグとテストを繰り返しています。そして過去そのような問題は起きていません。どちらに投資すべきかは明確でしょう。
まとめ
ビットコインSVが詐欺である理由を説明しました。
説明した通り、ビットコインSVは投資すべき通貨ではありません。そして、革新性を持ち合わせていないどころか、安定的にアップデートをすることさえままなりません。
多くの著名人の発言や、取引所のスタンスからもわかるように、ビットコインSVは、世界的に見て健全な通貨としては判断されていません。
投資するのであれば、ドブにお金を捨てる気持ちで行わなくてはいけません。もし、仮想通貨に投資したいのであれば、間違いなくオリジナルのビットコイン(BTC)をおすすめします。BTCこそが、本当のサトシビジョンです。