イーサリアムの現在の価格は、誕生から何倍になったのでしょうか?
トークンセール(最初の販売)が行われた2014年から5年も経過していますから、気になる方も多いかと思います。この記事を読めば、下記のことを知ることができます。
- イーサリアムのトークンセール時(最初の販売)の価格
- トークンセール時から、現在何倍の価格になったのか?
- 現在までのイーサリアム価格推移
- イーサリアムはいまが買い時なのか?
なお、イーサリアムの仕組みについて知りたい方は下記のリンクで解説しています。一見複雑に見えるイーサリアムの仕組みをわかりやすく解説しています。
イーサリアムのトークンセール
イーサリアムも、他のトークンと同様、はじめはICO(Initial Coin Offering)で資金調達が行われました。
ICOは、詐欺が横行し、一般の人からは怪しいと思われがちですがイーサリアムのように巨大なプロジェクトへと成長するものもあります。
ちなみにイーサリアムは、分散型アプリ(dApp)を簡単に作れるプラットフォームを目指して誕生しました。スマートコントラクトと呼ばれる機能を備えており、様々な分野での活用が期待されています。
スマートコントラクトについて詳しくは下記のリンクで解説しています。
イーサリアムのICO価格は?
その資金調達によって、初めてイーサリアム(ETH)が販売されたわけですが、2014年7月22日〜8月5日までに2000ETHの販売が行われました。
当時の1ETHの販売価格は、およそ0.3ドルです。日本円にすると30円程となっています。
この時のビットコイン(BTC)の価格は、約600ドルでしたから、それと比較するとイーサリアムはかなり安く購入できたことになります。ビットコイン600ドルに対して、イーサリアムは0.3ドルですから、およそ1/2000の価値しかありませんでした。
今ではビットコインは90万円付近で、イーサリアムは2万円です。つまり、イーサリアムは、ビットコイン価格の1/2000の価値から1/45程度に成長しました。イーサリアムが、いかに価格が上昇してきたのか理解できるかと思います。
イーサリアムはICO価格から何倍になった?
非常に安い価格からスタートしたイーサリアムですが、ICO価格から何倍になったのでしょうか?
リアルタイムの倍率は下記のサイトで見ることが可能です。
参考 ICOのROIICO STATSこのサイトを見ると約50000%価格上昇したことがわかります。つまり500倍です。この価格の上昇の大きさが、仮想通貨への投資に火をつける材料ともなっています。
私が「イーサリアムの購入」におすすめしたい取引所はLiquid(リキッド)です。イーサリアムの国内取引高No1で圧倒的に安くイーサリアムを購入することが可能です。
イーサリアムの価格推移
イーサリアムの価格推移を示すと大きく分けて4つの転換点がありました。
4つの時期は、ざっくりと下記のような出来事と重なります。
- トークンセールからホームステッド(Homestead)まで
- ホームステッド(Homestead)からメトロポリスまで
- メトロポリス(Metropolice)からバブル崩壊まで
- 仮想通貨バブル崩壊から現在まで
イーサリアムの大きな節目はやはり、予定されている4つの大きなアップデートです。
アップデート名称 | 時期 |
---|---|
❶フロンティア(Frontier) | 2015年7月 |
❷ホームステッド(Homestead) | 2016年3月 |
❸メトロポリス(Metropolice) | 2017年9月〜4月 |
❹セレニティ(Serenity) | 未定 |
現在は、3つめのメトロポリスの真っ最中であり、最終アップデートセレニティ(Serenity)に向けて開発しています。
これらのアップデートは、イーサリアムの価格形成に大きな転換点となることが多いです。それだけ機能的にも経済的にも多くのアップデートがなされます。
また、2018年のバブル相場の崩壊も大きな転換点でした。それら2つを組み合わせて4つの期間に分け、詳細に分析することは意味のあることだと考えます。
① トークンセールからホームステッド(Homestead)まで
イーサリアムは、ご存知ない方も多いかと思いますが、イーサリアムは初め、トークンセールによって、初売り出しが行われました。
2014年7月22日~8月5日までに2000ETHの販売が行われました。当時の1ETHの販売価格は、先ほど説明した通り、およそ0.3ドルです。日本円にすると30円程となっています。
そこから2016年まで価格はかなり低い状態を維持していましたが2016年3月のアップデート「ホームステッド」に向けて価格が上昇し始めます。
イーサリアムが実用化に向けてETH需要が高まることが考えられたためこのような上昇相場を作り上げました。
② ホームステッドからメトロポリスまで
ホームステッドでは、下記の通り大きな修正がされました。このあたりから、イーサリアムを活用してどのようなアプリが作れるのか模索され始めました。
- 新しいオペコードの追加
- スマートコントラクト記述の言語のようなものです。
- GASコスト調整
- GASコストを21000から53000にアップ。GASについては下記で解説しています。
【図解】イーサリアムのGas(ガス)とは?計算方法を解説! - 署名検証の厳格化
- GASが足りない場合処理されないように
- 難易度調整アルゴリズムの変更
- マイニング難易度調整のアルゴリズムです。イーサリアムはプルーフオブワークでマイニングされています。
イーサリアムのマイニングの仕組み。マイニングを始める方法や「いつまで」PoWで採掘可能?徹底解説。
長期的な上昇相場は、2017年の6月ごろまで続きました。ところが、次期アップデートのメトロポリスを2017年の8月に控え下落局面へと転換します。
③ メトロポリス(Metropolice)からバブル崩壊まで
数ヶ月間の下落局面を迎えていたイーサリアムですが、メトロポリスのアップデートによって、さらなる上昇相場を迎えることとなります。
まさにバブルのごとく上昇し続け一時は16万円の値をつけました。トークンセール時は30円だったイーサリアムは実に5000倍以上の価格上昇をしましたが、その夢は長くは続きませんでした。
ちなみにメトロポリスのアップデートは、現在もまだ途中段階で、8月の時点ではたかだか「セキュリティ強化」がなされた程度だけでした。いかにファンダメンタルとかけ離れて、価格が上昇していたことが分かります。
ちなみにバブル相場を作り上げた原因の1つはイーサリアムを用いたICOブームであり、詐欺まがいのICOもイーサリアムを用いて行われました。
④ 仮想通貨バブル崩壊から現在まで
詐欺的ICOと、猛烈な投機需要に支えられて価格上昇を成し遂げたイーサリアムですが、その崩壊の度合いも非常に大きく90%以上の下落しました。
下落要因については、詳しくは下記のリンクで解説しています。
詐欺的ICOで調達されたETHは無残にも大量に売られることとなったのが、イーサリアム下落の大きな一因です。しかし、2019年以降は、底をついたと言える状況が近づいてきています。
イーサリアムの今後は? アップデート予定
イーサリアムは4つの大きなアップデートを経て、最終形となります。
現在は3つ目のアップデート「メトロポリス」の途中の段階です。
アップデート名称 | 時期 |
---|---|
❶フロンティア(Frontier) | 2015年7月 |
❷ホームステッド(Homestead) | 2016年3月 |
❸メトロポリス(Metropolice) | 2017年9月〜4月 |
❹セレニティ(Serenity) | 未定 |
メトロポリスはさらに3つに細分化されてアップデートされます。「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」、そして「イスタンブール」です。
もともと、メトロポリスアップデートは「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」の2つで終了予定でした。しかし、これら二つを実装完了後、「イスタンブール」が追加され、メトロポリスは3つに分割される形となりました。
アップデート名称 | 時期 | |
---|---|---|
メトロポリス(Metropolice) | ビザンチウム(Byzantium) | 2017年9月 |
コンスタンティノープル(Constantinople) | 2019年2月 | |
イスタンブール (istanbul) | 2020年12月 |
直近のアップデート「コンスタンティノープル」の内容
2019年2月に「コンスタンティノープル」が無事に完了しました。
コンスタンティノープルは、EIP1234と呼ばれる大きな変更がありました。この変更はマイニング報酬を4ETH→3ETHに変更し、採掘難易度を高くする変更でした。
つまり、需要と供給で言うところの、供給サイドが減少するわけです。ミクロ経済学的には、価格は高くなります。
10分でわかるミクロ経済学 – 需要曲線や供給曲線をわかりやすく解説
さらにはEIP145などイーサリアム仮想マシンの性能向上などの変更も含まれており、イーサリアムの需要面でも高まると考えられます。
つまり供給面と需要面において大幅に改善しています。価格にポジティブに働かないはずがありません。よく過去のアップデートでは、あまり価格の変動がなかったと言われていますが、過去のアップデートではマイニング報酬の減額は行われていません。
実際に下記がアップデート付近の価格推移です。マイニング報酬が減ることによって価格がほぼ1.5倍に切り上げています。これはEIP1234によって供給量が2/3になったことによる影響をそのまま表していると言えるでしょう。
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新たなアップデート「イスタンブール」とは?
コンスタンティノープルの実装後に提案された、イスタンブールですが、下記のEIPが実装予定です。
※なお2019年12月8日に無事にイスタンブールの実装が完了しました。詳しくは下記のリンクで解説しています。
30以上のEIPが予定されていますが、代表的な4つのEIPを紹介します。
❶. EIP 1057 ProgPoW
イスタンブールで最も重要なアップデートはProgPoWです。過去何度か提案されていたものが、実装することが正式決定された形です。
これは、マイニングマシンのASIC耐性を高めるアップデートです。
イーサリアムの、現在のEthashと呼ばれるアルゴリズムは、もともとは、ASIC耐性を備えたアルゴリズムとして誕生しました。しかし、現在では、マイニングマシンも進化し、GPUマシンの50%以上ASICマシンは効率が良くなっています。
特定のマシンのみ効率的にマイニングが可能になると、マイナーの寡占化が進みます。特定の集団が力を得ると、マイニングを放棄することで開発を妨害したり、敵対的なハードフォークを進めかねません。
これらは、ビットコインで起きていることであり、マイナーが分散化されていることは、セキュリティにとってとても重要です。
このアップデートで、ASICマシンであっても20%程度しか効率化しないようなアルゴリズムに変更しようとしています。
❷. EIP-616 EVM(イーサリアム仮想マシン)の変更
EVMはイーサリアム仮想マシンですが、簡単に言うと、プログラム言語の翻訳機だと思ってください。
詳しくは下記で解説しています。
イーサリアムのEVMとは何か? 初心者にもわかりやすく図解この翻訳機で、適切なエラーチェックができることが開発する上では大切です。このアップデートによって、コード実装の分析を安易にし、実装コストを削減します。
❸. EIP-1108 Gasコストの削減
イーサリアムは度々ガスコストの増加に直面しています。ビットコインにおけるトランザクション手数料だと思って貰えば問題ないです。
詳しい仕組みは下記で解説しています。
イーサリアムのGas(ガス)の仕組みを図解。設定額の目安や計算方法を解説!
この価格が高くなり過ぎれば使い物になりませんから、このコストの削減は急務です。
❹. EIP-1559 ETH1.0向けに手数料マーケットの変更
この変更は、現在のオークション型の手数料市場を変更することが目的です。
イーサリアムの手数料は、トランザクションが増えれば増えるほど高騰するようになっています。それらをETH1.0に向けて変更を加えます。
この変更によって、ユーザーは不必要な手数料を払う必要がなくなります。
重要な4つEIPを紹介しましたが、全てのEIPを確認したい方は、githubで確認することができます。なお、実装状況次第では、新たなEIPが追加されたり、また、実装を見送るEIPも存在する可能性があります。
イスタンブールの時期は?
イスタンブールの予定時期は2019年12月4日に決定しました。
イスタンブールまでの予定は下記の通りです。
- 2019年7月19日 主要なクライアント実装の最終期限
- 2019年7月 CoreDev計画会議
- 2019年8月14日 testnetネットワークのアップグレード予定日(Ropsten、Görli、またはad-hocテストネット)
- 2019年10月8日〜11日 DevCon5大阪府
- 2019年12月4日 イスタンブールのメインネットのアップグレード予定日
イーサリアムは買い時なのか?
非常に難しい局面が続いていましたが、現状は、売り圧が低下して底をついたと言っても良いでしょう。コインポストでも下記の記事が掲載されています。
参考 仮想通貨イーサリアム(ETH)、ICOによる売り圧力の終わり間近かCoinPostテクニカル的には、投資すべきタイミングと言えそうですが、ファンダメンタル的にもとても良い時期です。
イーサリアムの直近のアップデート「コンスタンティノープル」では、マイニング報酬が3ETH→2ETHに減額され、イーサリアム価格は1.5倍になっています。
さらには、「イスタンブール」も2019年12月4日に予定していますから、アップデートが好感され価格が上昇する可能性があります。
つまり、イーサリアムはバブル崩壊を受けて、一時は低迷していましたが、テクニカル的にも売り圧が低下し、さらには好ファンダが待っていますから、投資するには最適な時期だと言えそうです。
ちなみにイーサリアムの将来性については下記のリンクで解説しています。
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