リップル社が発行するXRPは、2019年からズルズルと価格が下がり、現在では30円以下で推移しています。
ビットコインが、2019年に大きく回復しているにも関わらず、XRPの価格が奮いません。
なぜ、ここまでま価格が低迷を続けているのでしょうか?それはリップル社の根本的なビジネスモデルに問題があると考えます。
リップル社のビジネスモデルの実態
リップル社のビジネスモデルは「パンプ&ダンプ」スキームと言わざるを得ません。
リップル社がそうでないと主張したとしても、収益源のない状況下で「そうなってしまっている」と言う現状です。
簡単に言うと、価格をつり上げて(パンプ)、落とす(ダンプ)詐欺的なスキームです。
パンプのやり方は、本来は価値のないものをソーシャルメディアなどの投稿やポジティブなニュースを流すことで、価値あるもののように見せかけて価格をつり上げます。
そして、計画された身内だけで、つり上げられた価格で売り払います(ダンプ)。購入価格と売却価格の差分で収益を得るスキームです。
リップルに投資している方は、そんなことはないと信じたいかもしれませんが、リップル社がとる「実際の」ビジネスモデルを理解すれば、それが誤解だと気づくはずです。
リップル社のビジネスモデルの図解
では、リップル社がとる「現状の」ビジネスモデルについて解説していきます。図解すると下記の通りです。
注意していただきたいのは、リップル社がカンファレンス等で発表するような理想的なビジネスモデルを解説しているわけではありません。「そんなことはない」と批判する方のほとんどが、理想と現実を履き違えています。
ビジネスモデルの各要素について解説していきます。なお図内の番号が各見出しの番号と対応しています。
1. 価値のないXRPトークンを発行する
このビジネスモデルの出発点は、XRPトークンの発行です。
ここで、よくある批判は「XRPはリップル社が発行したのではなく、オープンソースコミュニティによって発行されたので、発行していない」という主張です。
実際に、リップル社の規制関係の責任者は下記のように発言しています。
「XRPはオープンソースであり、当社によって作成されたものではない。私たちは、かなりの量のXRPを所有しているというだけです。Ripple社とXRPの間には直接的なつながりはありません。」
引用:coin desk「Ripple Put on Defensive at UK Parliament Blockchain Hearing」
ではなぜ、彼らはXRPの全発行数の半数以上をリップル社が握っているのでしょうか?
上記の記事では、オープンソースの開発者から贈られたとありますが、その時点で分散化されているとは到底思えません。XRP供給権を独占している意味では、発行体となんら変わりありません。
2. 大規模イベントSWELL
リップル主催のカンファレンスSwellは、パンプに一役買っています。大々的に発表することによって、多くの買い手を引きつけます。
しかし、ここで語られることと、XRPの価格との関係性はしっかりと吟味しなくてはいけません。下記の記事で詳しく解説していますが、リップル社の未来が明るくてもXRPが価格上昇する保証はありません。
XRP(リップル)の売り圧がどれだけすごいのか? 価格上昇が難しい根拠「リップル SWELL」でgoogleで是非とも検索してみてください。「Swellで上がる?爆上げ」のような記事が多数出てきます。リップル社の本意でなかったとしても、有効なパンプツールとして機能していることは明確です。
3. パートナーというXRP援助プログラム
リップル社は、多額のXRPを利用して「多くのパートナー」と組んでいます。これらは、売り上げを生むリップル社の顧客ではなくパートナーだということに注意しなくてはいけません。
顧客であれば、リップル社にお金を支払い、売り上げを生み出しますが、パートナーは、逆にリップル社がお金を支払います。
このパートナー制度に、リップル社はもっともらしい名前をつけています。それは「RippleNet Accelerator Program」です。
リップル社のブログ投稿によると
2017年10月13日から、Rippleは、市場で最初にRippleNetで商業支払いを処理および促進する金融機関にユニークな報酬を提供します。
と述べています。報酬はRippleNet Accelerator Programで決められた手数料の形で提供されています。
リップル社が多くの銀行とパートナーシップを組むことができるのは、このプログラムによってリップル社から報酬を受け取れるからです。華々しい企業とのタッグには、このような裏があったというわけです。
では、この資金はどこからきているのでしょうか?この記事では、さらにこう続きます。
RippleNet Accelerator Programは、リップル社のXRP保有分の3億ドルのXRPによって資金提供されています。
つまり、顧客は数多くの銀行ではなく、リップル社ということです。しかし、多くの人はその逆の「リップル社の顧客」が銀行だと思っています。
4. 疑わしい技術のパートナーとの実験
初期のパートナーにテクノロジーを試してもらうことは、不正ではありません。実際にPayPalなども行いました。
しかし、リップル社は数々のパートナーと実験を行なっていますが、それがSwiftを凌駕するようなサービスになるかは未だ不明瞭です。具体的に下記の実験を見ていくと、まだまだ実用化には程遠いです。
- American Express
- Santander
- Western Union
❶. American Express
パートナーの1つであるAmerican ExpressはRippleで実験を行いましたが、結局そこから進んでいません。
❷. Santander
スペインの企業のSantanderは、リップルベースの製品を展開しましたが、リップルの明確な差別化要因の中心にある即時送金が実現しませんでした。2日かかります。
❸. Western Union
もう1つの重要なRippleの「パートナー」はWestern Unionです。彼はすでに世界の送金業界のリーダーの1人です。
しかし、「Western Unionはリップルのテストでは効率化しませんでした、コストが高すぎる」と Western UnionのCEOであるHikmet Ersek は語っています。
多くのウェブ記事は、アメリカンエクスプレスとリップル社が「業務提携!」などと過大に宣伝しています。
いいですか、「業務提携」ではなく「パートナー」です。パートナーは実験することと引き換えにXRP報酬を受け取っています。リップル社は良いお客さんです。
5. ソーシャルメディアでの宣伝
リップルに関するニュースは、連日多くのメディアが取り上げています。
その多くがXRPの価格に影響を与えるものでなかったとしても多くの大衆を引きつけます。なぜここまで際限なくニュースを発表できるのかといえば、先ほど説明した「RippleNet Accelerator Program」が一役買っています。
リップル社がXRPを報酬として支払えば、多くの企業が賛同するからです。XRP支払ったとしても、ニュースによって多くの養分を引きつけ価格は維持されますから、リップル社にとっては痛くも痒くもありません。
6. ソーシャルメディアでの宣伝
最後の極め付けが、事業資金捻出のためのXRPの大量売却です。
十分にXRPの価格がダンプできていますから、売却するだけで多くの事業資金を捻出できます。下記ツイートが詳しく言及しています。
2018年
国際送金の実需の塊のSWIFTの純利益34百万ユーロ(約40億円)
実需皆無で $XRP token売り抜けを1年間行ったRipple Lab 535百万ドル(売上570億円)2019年
Q1+Q2=421百万ドル(売上450億円)
Q3で去年の売上を突破予定国際送(集)金ってえらく羽振りがよく儲かるんですね。
知りませんでした😇 pic.twitter.com/do8GqPN7gg— べーすけ😇Sell XRP📉 HODL Ripple📈 (@SatoshiVisioner) August 22, 2019
「リップル社は売却してるとはいえ、ロックアップされており売却制限がある!」と思われる方もいますが、制限は極めてガバガバです。ビットコインのインフレ率が3.62%に対して、XRPは27.98%です。
XRPの年間インフレ率は27.98%これに加えて、寄付やら投資やらがプラスされる。一方BTCは3.62%
どっちが健全かわかるよね? pic.twitter.com/URaZbzEk5t— クリトピ@仮想通貨と経済学ブログ (@cryptopix_san) August 21, 2019
下記のリンクで詳しく解説していますが、リップル社は制限があるとは名ばかりで、バンプする力を持っているというわけです。
XRP(リップル)の売り圧がどれだけすごいのか? 価格上昇が難しい根拠結局XRPのマーケットはどうなっているの?
リップル社のビジネススキームについて理解できたかと思います。ここまで説明してきましたが、一部のリップラーの方から、ビジネスモデルの図について非常に分かりにくいとの声をいただきました。
仰る通り分かりにくいのは当然です。分かりやすければ、ビジネスモデルの欠陥に気がつかれてしまいXRPを高値で売れませんから、あえて複雑な構造にしているとも言えます。
しかし、実態がきちんと伝わらなければ、記事で指摘する意味がありませんから、可能な限りこのビジネスの構造を簡略化してみようと思います。それが下記の図です。
可能な限り分かりやすく構造化すると、「リップル社の事業資金捻出のためのXRP大量売却」と、「パートナー企業に援助したXRPの売り」が「潜在的な売り圧」として市場にのしかかります。
一方でそれを買い支えるのは「個人投資家のみ」です。少なくともXRPを利用する金融機関が「市場から」XRPを調達したという話は聞きませんから、全てはXRPから無料譲渡されたものとなります。リップラーやリップルアーミーが、この膨大な売り圧を買い支えることが果たしてできるのでしょうか?
この記事では明言は避けますが、それでも購入したいとお考えの方は、各自でご判断の上ご購入ください。
投資をするならビットコイン以外考えられない
もしあなたが、これから仮想通貨に投資しようと考えているのであれば「ビットコイン(BTC)」以外はあり得ないでしょう。
多くの記事が、リップルの将来性やXRPの値上がりを期待させるようなものばかりですが、この記事で説明した通りXRPへの投資はリスキーです。
一方で、ビットコインは仮想通貨の中で唯一「価値の保存(SoV)」として機能しています。詳しくは下記の記事で解説していますが、ビットコインはデジタルゴールドとして確固たる地位を確立するでしょう。リップル社が大量のXRPを保有し、いわば好き勝手に使うような中央集権通貨ではなく、高度に分散化されているビットコインを購入する方が投資先としては賢明でしょう。
ビットコインの購入はLiquidがおすすめ
私がLiquidをおすすめする理由は、ビットコインの月間取引高が最も多いからです。取引高が多ければスプレッドも狭く、お得に購入できます。
下記がビットコインの取引所別の月間取引高です。グラフの水色で示した場所がLiquidの取引高です。
クリトピ
まとめ
リップル社は、リップル社とは切り離されていると自称する膨大なXRPを握っています。そして独占的な売却権を持っています。そして、そのXRPを利用して、多くのパートナーに資金を提供し、実験を繰り返しています。
そして、そのパートナーは、メディア等で業務提携などと過大に宣伝され、価格をパンプさせます。実際には、XRPで資金援助をして実験をしてもらっているのにです。
また、多額の資金力でSWELLと呼ばれる大規模カンファレンスを開き結果的に有効なパンプツールとして機能しています。
上昇したXRPを利用して、さらに有効なパートナーを見つけようとします。名だたる企業に多額の資金をXRPで提供し、売り圧を生み出しダンプさせます。しかし、その売り圧を相殺するように、ただのパートナー契約をソーシャルメディアが過大に業務提携かのように宣伝し、食いついた個人投資家が結果として養分となります。
たとえリップル社が意図していないとしても、説明したように立派なパンプ&ダンプスキームとなっています。リップル社が目指すビジネスモデルは決してそうでなかったとしても、そうなっていると言わざるを得ないです。パートナー契約をひたすら繰り返すことで、あたかも未来が華々しいかのように錯覚することに一躍買っています。
たわごとだと思うかもしれませんが、実際に過去のチャートを見れば明らかです。XRPの価格にポジティブな影響を与えたのは、華々しいパートナー契約時ではなく、ロックアップの時のみです。下記で詳しく解説しています。
リップル(XRP)の過去のチャートをイベントや出来事とともに振り返る【2019年版】下記の記事では、XRPが上昇しない理由について包括的に述べています。投資する前にご一読を。
リップル(XRP)が将来的にもう上がらない8つの理由【2020】