ビットコインのハッシュレートとは何か? 計算方法や調べ方を徹底解説します。セキュリティとの関係も解説。

ビットコインのハッシュレートは日々変動し投資の判断に利用されています。

この記事では、ハッシュレートの計算方法や、日々変動するハッシュレートの調べ方について徹底解説します。またセキュリティとハッシュレートの関係にちても詳しく解説します。

ハッシュレートとは?

ハッシュレートとは、ビットコインのマイニングにおける計算速度のことです。

未承認のブロックを承認するために、マイナーは正解の文字列である「ノンス」を見つけるべく繰り返し計算をしなくてはいけません。それには膨大なコンピューターパワーと電力を使い行われています。

ハッシュレートが高いということは、つまりブロックの承認に対して、それだけ計算の回数が多く、コンピューターの数も多いということを表しています。

ノンス(正解文字列)を見つける方法

ノンスを見つけるには、ひたすらランダムな文字列をSHA256と呼ばれる関数に入力し続けなくてはいけません。

SHA256は下記のリンクで試すことができます。

参考 SHA256ハッシュ生成ツールハッシュについて

マイナーは、ひたすら文字列を入力し続け、先頭の文字列が例えば00000と並ぶものを探します。

0が並び続けることなど天文学的な数値です。マイナーは先頭に0が並ぶ文字列を探し続け、晴れて発見できれば12.5BTCの報酬を受け取れるわけです。

上記の画像がブロック承認の際に出力されたハッシュ値です。上記のようにマイナーは必死で0が連続で並ぶハッシュ値を探すことになります。

ビットコインのディフィカルティとは?

ビットコインの「ディフィカルティ」という言葉を耳にすることが多いかと思います。ディフィカルティとはマイニングの難しさですが、ビットコインは10分間に1回ブロックが承認されるように難易度が調整されます。

難易度の調整は、先程先頭に0000..が並ぶノンスをマイナーは探し続けると言いましたが、この先頭の0の数を変化させます。

0が多ければその分マイニングが難しくなりますし、0が少なければ簡単になります。

ハッシュレート(Hash rate)の単位・計算方法

ハッシュレート単位は1TH/s(1テラハッシュ毎秒)や1MH/s(1メガハッシュ毎秒)などの単位を用います。

1TH/sとは1T(1兆)回のハッシュ値の計算を行うことができるということです。1秒間にこれだけのハッシュ値を出力し続けるわけですから、電力を大量に消費することも頷けます。

難易度調整はなぜ必要か?

難易度調整が必要な理由は、コンピューターの計算速度は進化し続けるからです。一般的には「ムーアの法則」と呼ばれ指数関数的にコンピューター性能は上がっていきます。

そのような状況下でも、適切な競争環境を提供するために難易度調整がされるわけです。また10分間に一度しかBTCが発行されないとすることで適切な供給量を維持する目的もあります。

なぜ改ざんしにくいのか?セキュリティが高い理由

ビットコインにおけるマイニング(プルーフ・オブ・ワーク:PoWと呼ばれます)は改ざんが非常に難しいとされています。

それはなぜでしょうか?ノンスの計算方法は、実は適当な文字列を入れるわけではありません。

ハッシュ関数 (直前ブロックのハッシュ値A, 新ブロックに含まれる取引記録の指紋B, nonce値)

→「新規ブロックのハッシュ値(※マイナーが解くべき暗号)」

マイニングの詳しい仕組みは下記で解説しています。

ここでのポイントは新しいブロックの暗号を生成するために、「直前のブロックのハッシュ値」「新ブロックに含まれる取引記録」「nonce値」が含まれていると言うことです。nonce値は直前のブロックの正解の文字列です。

つまり、過去のブロックを改ざんしようとすると、ハッシュ値(マイナーが解くべき暗号)も変化するため、再びそれ以降の暗号を全て解き直す必要があります。

ここら辺の仕組みについてより詳しく知りたい方は、下記リンクで詳しく解説しています。

膨大な電気代が必要となりますから、マイナーは改ざんするために膨大な計算力を使うよりも、新規のマイニングで報酬を得た方が圧倒的に収益が良いのです。

つまり、取引記録を改ざんしようとするインセンティブが働かない仕組みとなっています。ちなみに過去一度も取引記録に悪意のある改竄があったことはありません。

51%攻撃とは?

51%攻撃とは、ハッシュパワーの51%以上を独占することによって、過去のブロックの改ざんを行うことです。

51%以上のハッシュパワーがあれば、過去のブロックを改ざんして現在のブロックまで再計算しなくてはいけなくても、現在のブロックに追いつくことが可能になります。

もし追いつかれてしまえば、正しいブロックの方が棄却されてしまいます。

つまりプルーフオブワークとは、ハッシュパワーが多くかけられているチェーンの方を正しいと判断するわけです。

ハッシュレートはセキュリティーの要

ハッシュレートが高いということは、それだけ高価なマイニングマシンと、大量の電力を消費しているわけです。

つまり、悪意のある人がいたとしても、安易に51%ものパワーを持つことは非常に難しくなります。

これが極端な話、自宅のPC程度のスペックのハッシュレートしかなければ、簡単に51%以上のハッシュパワーを獲得して、攻撃することができてしまいます。

モナコインなどハッシュパワーが非常に小さなコインを狙って相次いで51%攻撃がされる事件がありました。

参考 モナコインへの攻撃、なぜ成功? 小さな「アルトコイン」襲う巨大なハッシュパワーIT Media

ハッシュレートの調べ方

ハッシュレートはBLOCKCHAIN.comで調べることができます。

またBLOCKCHAIN.comのエクスプローラーでは様々な情報を調べることができます。リアルタイムトランザクションの情報やマイニングを成功させたマイナーなども確認できます。

まとめ

ビットコインにおけるハッシュレートの仕組みについて理解できたかと思います。

ハッシュレートはビットコインのセキュリティの要であり、ビットコインが信用に足る通貨であるということを証明する価値の源泉のようなものです。

最近の価格低下とともにハッシュレートが低下しているのは、かなり危ない状況です。マイニング機器などの発明や、新規参入者が増えなければビットコインのエコシステムが危ぶまれます。今が正念場と言えそうです。

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