イーサリアム(ETH)の特徴と仕組み – スマートコントラクトを徹底解剖

ビットコインに次ぐ第2位の時価総額のイーサリアム(ETH)は、「スマートコントラクト」と呼ばれる仕組みを備えています。

クリトピさん

イーサリアムの将来性を語っている記事は多くあるものの、詳しい仕組みに関しては書かれているものはほとんどありません。

この記事ではイーサリアムの仕組みに焦点を当て出来るだけわかりやすく解説します。少しでもイーサリアムの技術的な可能性を感じていただければと思います。

イーサリアム(ETH)の基本仕様

イーサリアムの「発行上限」「コンセンサスアルゴリズム」「ブロック生成時間」をビットコインと比較すると下記の通りです。

 イーサリアムビットコイン
❶. 発行上限段階的に発行数料を減らし最終的には0へ2100万BTC
❷. コンセンサスアルゴリズムEthash
(Proof of Work)
※将来的にはProof of Stake
SHA256
(Proof of Work)
❸. ブロック生成時間15-17秒10分

各項目について順番に解説していきます。

❶. イーサリアムの発行上限

イーサリアムは、かつてはビットコインやリップルと異なり発行上限が定められていませんでした。

しかし最近になり発行上限を徐々に減らし最終的には0にすると発表がありました。

すでに、2019年2月のアップデート「コンスタンティノープル」で、マイニング報酬は3ETH→2ETHへと変更が加えられました。

このアップデートにより、イーサリアムはビットコインと同等のインフレ率となりました。下記のリンクでコンスタンティノープルでのアップデート内容について解説しています。

イーサリアムのコンスタンティノープルとは何か?わかりやすく解説

イーサリアムは、インフレ率が高く無価値であるという批判がありますが、開発コミュニティはビットコインの半減期を見ながらイーサリアムのインフレ率を調整しています。

❷. イーサリアムのコンセンサスアルゴリズム

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは現在は、ビットコインと同様に「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」を採用しています。

しかし、細かなアルゴリズムはビットコインとは異なります。

イーサリアムは独自のアルゴリズム「Ethash」によってマイニングを行います。このアルゴリズムは「ASIC耐性」を備えた「優れた」アルゴリズムです。一方で、ビットコインのアルゴリズムは、SHA256の関数で計算するシンプルなアルゴリズムです。

ASIC耐性が必要な理由

ASIC耐性が必要な理由は、マイニングの「中央集権化」と「権力化」を防ぐためです。

Bitmain社が開発・販売を行っているASIC Boostは、他のGPUと比較して圧倒的に効率よくマイニングが可能です。このBitmain社は、実は巨大マイニングプールの1つなんですね。

「bitmain」の画像検索結果

BITMAIN社のASIC Boost

つまり、特殊なASIC Boostを開発できる企業が、マイニングを独占する危険性があるわけです。イーサリアムはこのASIC Boostに耐性を持っており、一般的なGPUでマイニングしたとしても効率が変わらないように設計されています。

イーサリアムは将来的にはCasper(プルーフ・オブ・ステーク:POS)へ移行予定

イーサリアムは、プルーフ・オブ・ワークで現在はマイニングを行なっていますが、将来的にはCasper(キャスパー)と呼ばれるプルーフ・オブ・ステークへ移行予定です。

段階的にプルーフ・オブ・ワークでのマイニング報酬を減らし、最終的には報酬はゼロになり、それ以降はプルーフ・オブ・ステークへと移行します。

❸. ブロック生成時間

ブロックの生成時間は、ビットコインは10分必要なのに対して、イーサリアムは15~17秒です。

この時間は、プルーフ・オブ・ステークへ移行することによって、より高速に処理できるようになる予定です。

イーサリアム(ETH)はプラットフォーム

イーサリアムは端的にいうと「分散型アプリケーション(dApps)を利用できるプラットフォーム」です。プラットフォームとは、開発・配布する際の基盤となる技術のことです。

例えばスマホアプリの領域ではApp StoreやGoogle Playにあたるものがプラットフォームです。スマートフォンのアプリの配布を、App StoreやGoogle Playを通すことで簡単に行うことができます

イーサリアムは、ビットコインに利用されている「分散型アプリケーション(dApps)」を低コストで作成できるように作られています。

分散型アプリケーションは非常に便利で、様々な領域での活用が期待されていますが、技術的な敷居は非常に高いです。イーサリアムを使うことで、そのようなアプリを簡単に実現が可能になります。

現状もイーサリアムを使い開発されているものはいくつか存在します。下記でイーサリアムで作られたアプリでユーザー数の多いものについて解説しています。

イーサリアムの実用化例と使い道。ユーザー数の多い5つのdAppsからわかる将来性。

イーサリアム(ETH)で提供される仕組み

イーサリアム(ETH)は、「どのような仕組み」で分散型アプリケーション(dApps)を作ることができるのでしょうか?

イーサリアムでは「状態遷移関数」を自由に書き換えることができます。この「状態遷移関数」を自由に書き換えられる機能を「スマートコントラクト(smart contract)」と読んでいます。

よく「契約が〜」と書かれている記事がありますが誤訳です。「契約」に限った話ではありません。

状態遷移関数とは

状態遷移関数とは、「状態A」から「状態B」への変化が、「どのように行われるのか」を定義した関数です。

簡単に説明すると、状態遷移関数を仮にf(x)とした場合、状態B = f(状態A)といったものを言います。
※「状態A = 100円」「f = ジュースを100円で買う」だった場合、状態B = 0円です

ビットコインの場合は、下記の通り状態遷移関数が決められていると考えることができます。

トランザクション
状態A山田さんは10BTC
田中さんは5BTC
所持している
状態遷移関数山田から田中さんに
1BTC送信する
状態B山田さんは9BTC
田中さんは6BTC
所持している

このように「状態A」→「状態遷移関数」→「状態B」をまとめてトランザクション(取引)と呼び、これが無数にビットコインのネットワークでは行われています。

イーサリアムはこの「状態遷移関数」を自由に書き換えることができます。

イーサリアムは「つまり」何ができるのか?

イーサリアムは「状態遷移関数」を書き換えることができます。この関数を定義できることで「つまり」何ができるのでしょうか?

簡単に言えば、「通貨以外」の「状態の変化や取引」について自由に定義することが可能になります。

イーサリアムのスマートコントラクトとは?
「通貨以外」の「状態の変化や取引」について自由に定義することが可能

つまり、「土地の契約」や「ゲーム内通貨」のやり取りなども定義することができます。例えば下記の通りです。

  • アリスから、一定の金額がボブに送られたら、土地の権利書が送られて取引が成立する
  • ゲーム内でボスを倒したら(状態変化)、特定のアイテム(通貨以外)を獲得できる

ビットコインは「ビットコインの残高の変化」しか定義できません。つまり、「ビットコインもイーサリアムのdAppである」と言えます。

イーサリアムのアップデートの予定

イーサリアムは4つのアップデートを経て開発が完了し最終形になる予定です。

アップデートは下記の4つとなっています。

アップデート名称時期
❶フロンティア(Frontier)2015年7月
❷ホームステッド(Homestead)2016年3月
❸メトロポリス(Metropolice)2017年9月〜4月
❹セレニティ(Serenity)未定

現在は、3つ目の「メトロポリス」を実施中となります。より正確にはメトロポリスは、前半のビザンチウムと後半のコンスタンティノープルというアップデートがあり、現在は後半のコンスタンティノープルまで終了しています。

アップデート名称 時期
メトロポリス(Metropolice)ビザンチウム(Byzantium)2017年9月
コンスタンティノープル(Constantinople)2019年2月

❶. フロンティア(Frontier)の内容

イーサリアムの最初のアップデートはフロンティアでした。

ここでの変更は、簡単に言うとテスト環境のみで動かしていたイーサリアムを開発者向けに開放することでした。Gethと呼ばれるコマンドラインで操作が可能になり、開発者が実際にコードを書いて動かすことが可能になりました。

ここで起きたエラーなどは、いつでも巻き戻せるような状態となっており、フロンティアでバグなどの確認を行った後に、数ヶ月で次の環境に移行する予定でした。

❷. ホームステッド(Homestead)の内容

ホームステッドは、イーサリアムの2つ目のアップデートです。

フロンティアにおいて、致命的なバグが見つからずに安定稼働し続けたことを受けてバージョンアップがなされました。

主な変更点は下記の通りです。

ホームステッドの変更内容
  • 新しいオペコードの追加
    スマートコントラクト記述の言語のようなものです。
  • GASコスト調整
    GASコストを21000から53000にアップ。GASについては下記で解説しています。
    【図解】イーサリアムのGas(ガス)とは?計算方法を解説!
  • 署名検証の厳格化
  • GASが足りない場合処理されないように
  • 難易度調整アルゴリズムの変更
    マイニング難易度調整のアルゴリズムです。イーサリアムはプルーフオブワークでマイニングされています。(プルーフオブワークリンク)

フロンティアと異なり、かなり大きなアップデートがホームステッドでは行われました。

❸. メトロポリス(Metropolice)の内容

メトロポリスは、前半のビザンチウムと後半のコンスタンティノープルに分かれています。

ビザンチウムの内容

ビザンチウムでは主に大きく2つの変更が行われました。

ビザンチウムの変更内容
  • セキュリティの強化
  • プライバシーの強化

コンスタンティノープルの内容

コンスタンティノープルでは、5つのアップデートが完了しました。

5つのアップデートのうち非常に重要な変更は3つあります。

コンスタンティノープルでの変更内容
  • ブロックのハッシュ方法の変更
    暗号化の方法を変更します
  • イーサリアム仮想マシン(EVM)の処理能力向上
  • マイニング報酬の減少
    マイニング報酬が3ETH→2ETHに変更になります。

コンスタンティノープルのアップデートの詳細と、価格に与える影響について下記で解説しています。

イーサリアムのコンスタンティノープルとは何か?わかりやすく解説

❹. セレニティ(Serenity)

セレニティは、イーサリアムの最終アップデートです。

このアップデートでは、ブロックチェーン業界全体で問題となっているスケーラビリティ問題の解決を行います。

変更内容として大きなものは、「キャスパー」と「シャーディング」です。一つずつ解説していきます。

キャスパー(Casper)実装

「casper 画像 ethereum」の画像検索結果

キャスパーはプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)に移行する重要なアップデートです。

現在のほとんど全ての仮想通貨は、プルーフオブワークのコンセンサスアルゴリズムを採用しています。実際、プルーフオブワークしか成功例がないといっても過言ではありません。しかし、プルーフオブワークは電力消費やスケーラビリティの問題から最適なアルゴリズムとは言えません。

イーサリアムがプルーフオブステーク (キャスパー)を実装し成功を収めれば、仮想通貨は新たな一歩を踏み出すでしょう。

キャスパーの詳細については下記のリンクで解説しています。

イーサリアムのキャスパー(Casper)とは何か?わかりやすく図解

シャーディング(Sharding)

シャーディングは、ブロックを複数に分割して、同時並行で処理していくアルゴリズムです。

ブロックを分割することは、マイナーを分割し同時並行することを意味するので、ハッシュレートが小さくなってしまう問題があります。そのため、このシャーディングはキャスパーとセットで行われます。

シャーディングについて詳しく知りたい方は下記のリンクで解説しています。

イーサリアムの最終形セレニティで何が変わるのか?価格への影響

あくまでまだ予定されている段階であり確定ではありません。

イーサリアム(ETH)の手数料GAS(ガス)とは?

イーサリアムの手数料はGAS(ガス)という単位で計算されます。GASは上述のスマートコントラクトの実行時や、トランザクションの送信時に必要となるガソリンのようなものです。

1GASの値段はETH単位で定められており、トランザクションの実行時に手数料として支払うことになります。手数料はマイナーに支払われます。(単位についてはこちら→イーサリアムの通貨単位は?ビットコインと比較も!

イーサリアムの手数料の計算の仕組みを模した図は下記の通りです。(※実際には手数料はETH単位で支払い、デポジットする形で行いますが、簡略化のために省いています)

より詳しくGasについて知りたい方は、下記のリンクで解説しています。

イーサリアムのGas(ガス)の仕組みを図解。設定額の目安や計算方法を解説!

ブロックチェーンの真の価値を引き出すイーサリアム

ブロックチェーンの真の価値とは、「ある状態Aからある状態Bに変化する」トランザクションを保存し、トラストレス(承認者なし)で、不正に書き換えることができない点にあります。

ビットコインは、それを貨幣の取引という分野に応用したにすぎません。

イーサリアムのスケーラビリティ問題の解決

イーサリアムの開発者は顕在化しつつあるスケーラビリティ問題の解決をビットコインとは異なる方法で解決しようとしています。開発者は二つの方法を組み合わせることで解決しようとしています。解決法は下記の二つです。

  1. Sharding Method(シャーディング方法)
  2. Layer2 Method

詳しくは下記のリンクで解説しています。報奨金が出され開発が進んでおり、解決するのも時間の問題です。

イーサリアムのスケーラビリティ問題解決の2つの方法とは?

また2018年3月のカンファレンスでvitalik buterin氏が新たなトランザクション(取引)形式のPlasma Cashの発表を行いました。この技術を用いると、承認者(マイナー)は全ての取引履歴をダウンロードする必要がなくなります。これによりスケーラビリティ問題が一歩前進しました。

イーサリアムの新技術「Plasma Cash」とは?仕組みを解説

イーサリアム(ETH)の幅広い活用領域

「ある状態Aからある状態Bに変化する」トランザクションの正しさを中央管理者なしに正しいと証明する仕組みは、幅広い分野での活用が期待されています。

例えば、証明書の発行金融商品の購入、はたまたストレージ容量を対価に応じて貸し出すドロップボックスのようなサービスまで応用することができます。

基本的には実態のない電子上で完結するものが好ましいと限定されてはいるものの、応用範囲はかなり広いことがわかります。

下記はCoin market capEthereumプラットフォームで作られたトークンです。非常に多くのプロジェクトでイーサリアムが利用されていることがわかります。

EEA(イーサリアム企業連合)の活用推進

イーサリアムのビジネスへの活用を推進する「イーサリアム企業連合(EEA:Enterprise Ethereum Alliance)」という団体が存在しています。

EEAは、イーサリアムのスマートコントラクトを活用してビジネスに応用することを支援する企業連合です。EEAへの参加を表明している企業500以上です!参加企業は下記の通りです。世界の名だたる企業も存在しています。

  • グローバル企業
    • Microsoft
    • intel
    • JPMorgan
    • ING
  • 日本企業
    • MUFGグループ
    • TOYOTA(Research institute)
    • KDDI

特に日本企業のKDDIは、イーサリアムを使用した実証実験を行なっています。

イーサリアム企業連合(EEA)とは何か? 提携企業を総まとめ

まとめ

イーサリアム(Ethereum)の仕組みその応用範囲の広さをご理解いただけたかと思います。イーサリアムは、まだまだアップデートの途中であり、スケーリング問題等の課題を解決し発展していく予定です。またEEAの名だたる企業がイーサリアムを活用することになれば、イーサリアムの価格の上昇は見込めるでしょう。短期的には、上昇下降を繰り返しますが、長い目で見ればイーサリアムの未来はかなり明るいと私は考えています。

イーサリアムをより詳しく知りたい方は、日本語版のホワイトペーパーを参考にしてください!
[Japanese] White Paper

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クリトピさん

イーサリアムを圧倒的に安く購入できるのはLiquidです。

下記で安く買える取引所をランキングしていますので参考にしていただければと思います。

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