ブロックチェーンとP2Pの仕組みの違いとは? 徹底図解します。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれるテクノロジーが使われています。このブロックチェーンの仕組みは、P2P(peer to peer)と呼ばれる技術が基礎となり応用されています。

P2Pはインターネットが生まれた頃から存在する古い技術ですが、「P2P」と「ブロックチェーン」の違いは何なのでしょうか?

この記事ではP2Pとブロックチェーンの違いを詳細に解説していきます。なおビットコインの将来性について知りたい方は下記のリンクで解説しています。ブロックチェーン技術に裏付けられた資産だと言うことが理解できます。

P2P(Peer to Peer)とは?

P2Pとは、Peer(仲間)同士が直接繋がりデータを通信する仕組みです。つまり「あなたのコンピューター」と「誰かのコンピューター」を直接繋いでデータのやり取りをする仕組みです。

多くの人は、LINEでもメールでも直接人と人が繋がり通信しているじゃないか?と思われるかもしれませんが、実は多くのインターネットサービスはそうではありません。

一度「中央サーバー」を介して通信が行われる「クライアント・サーバー方式」を採用しています。

クライアントサーバー方式とは、中央管理されたサーバーを経由して通信を行う仕組みです。例えばLINEでも、あなたと誰かのやり取りは、LINEが管理する中央サーバーを一度経由することとなります。

クライアントサーバー方式のメリット

クライアントサーバー方式が、多くのインターネットサービスで採用されている理由が、通信の情報を改ざんされないように監視して「情報の信頼性」を高めるためです。

例えば、LINEであなたが送信した内容が、もしハッカーにより変更されることを考えてください。多くの人がサービスを利用しなくなるでしょう。そのため中央サーバーを徹底的に管理することで、通信の信頼性を担保しています。

LINEくらいなら、改ざんされても良いじゃないか?と思うかもしれませんが、例えばAmazonなどの通販を考えてみてください。ハッキングにより高額な商品を買われてしまっては、たまったもんではありません。

クライアント・サーバー型のデメリット

クライアントサーバー方式のデメリットは、中央サーバーが攻撃を受けた際に、利用しているユーザー全体に影響を受けることです。

例えば、中央サーバーがハッキングされてしまった場合、そのサービス全体が停止することとなります。

クライアント・サーバー型は、監視しやすいメリットがある一方で、中央で集約管理をしているので、ハッキングされれば影響が全てに波及するというわけです。

P2P(Peer to Peer)のメリット

クライアントサーバー方式の、上記のデメリットを克服するべく誕生した通信技術がP2Pです。

P2Pは、分散管理技術とも呼ばれ、クライアントサーバー方式が中央で管理していた情報の断片を、すべての人が保有しています。

誰かのコンピューターが仮にハッキングを受けたとしても、その他の99%のコンピューターが生きていれば、そこから復元することができます。

P2Pのメリットは、外部からの攻撃から強いことです。もし攻撃を受けたとしても、サービスが止まることはありません。これを「ゼロダウンタイム」と呼んでいます。

P2P(Peer to Peer)のデメリット

P2Pのデメリットは、情報の信頼性が担保できない点です。ある人とある人が直接繋がり通信を行わなくてはいけません。悪意のある情報を埋め込み送信したりすることが安易にできてしまいます。

クライアントサーバー方式であれば、悪意のある通信は削除して、規約違反としてそのユーザーを罰すれば良いですが、P2Pの場合はそうはいきません。「顔の見えない物々交換の世界か」「流通市場が整ったマーケットか」くらいの違いがあるわけです。

ブロックチェーンは双方のメリットを兼ね備えた技術

そこで登場したのが、ブロックチェーンと呼ばれる技術です。クライアント・サーバー型もP2Pも互いに下記のようなメリット・デメリットがありました。

  • クライアントサーバー方式は、情報の信頼性はあるが、中央管理によるダウンリスクがある
  • P2Pは、ダウンこそしないが、情報の信頼性が低い

ブロックチェーンは、情報の信頼性を高めながら、分散管理によりダウンしない仕組みを提供することが可能になりました。

ブロックチェーンの仕組み

まずブロックチェーンは、P2Pのネットワークが大前提として作られています。

P2Pは、データの信頼性が低いデメリットがあるといいましたが、その信頼性をブロックチェーンという仕組みで解決しています。まずブロックチェーンは、情報をブロックという単位にまとめます。様々な情報が、段ボール箱に詰められるイメージです。

そのブロックが正しいのかどうかを、マイナーと呼ばれる管理者が確認を行います。このマイナーは、企業のセキュリティ担当者ではありません。マイナーは、経済的なインセンティブがあるために、世界中で多くの人がマイニングと呼ばれるブロックの管理を行っています。

ビットコインでは、1つのブロックを承認するたびに、12.5BTCの報酬を獲得できます。この承認作業は、暗証番号を解読するために、ひたすらあてずっぽで数字を連打するようなイメージだと思ってください。

そのブロックの承認レースに勝利した人だけが12.5BTCの報酬を得られる権利を得られます。ブロックレースの勝利者が、正しいブロックを承認してるかどうかを敗者全員で確認します。50%以上の賛同が得られれば、めでたくブロックが承認されます。そしてブロックがチェーン状につながっていきます。

なぜこの方式が情報を改ざんしにくいのかというと、全員でブロックをチェックしているからです。クライアント・サーバー型では、中央管理しているセキュリティ担当者が行なっていた情報のチェックを、マイニングによって担保しています。

下記のリンクで、ビットコインのマイニングについてはより詳細に解説しています。

まとめ

P2Pとブロックチェーンの違いについて解説しました。通信技術はクライアントサーバー方式が世の中に浸透し、多くのサービスが作られています。

しかし、ブロックチェーンは、それらサービス全体を揺るがすほどのインパクトを持っていることを理解できたかと思います。AmazonやFacebookなど中央管理者が情報を一極集中で管理していたやり方の根底を覆す力があります。
それによってサービスモデルや、価格を含めたイノベーションが起こると考えています。

インターネット革命以来のイノベーションだとブロックチェーンが言われる理由をご理解いただけたかと思います。ビットコインの将来性もまた、これら技術に裏付けられていると言うわけです。

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