ICOはInitial Coin Offeringの略で、仮想通貨で企業が資金調達を行う方法です。法整備が整っていないからかスキャム(詐欺)プロジェクトも多く存在します。今回はICOに投資を判断する際に大切な指標をまとめます。
クリトピさん
目次
ICOトークン(Crypto Asset)を評価する二つの方法
ICOトークンを評価する方法として、大きく二つあります。1つ目が、「定性的な手法」で、2つ目が「定量的な手法」です。
- 定性的な手法
定性的な手法とは、質的な側面に注目した分析手法です。例えば、りんごは「赤い」「甘い」といった定性的な特徴があります。 - 定量的な手法
定量的な手法とは、量的な側面に注目した分析手法です。例えば、「りんごの量が多い」、「糖度が高い」といったことです。
この記事では、特にICOトークンの「定性的な分析手法で用いられる5つの指標」に注目します。ICO評価サイトなどの多くも、これらの指標に基づいて分析されていることが多いです。
なお、「定量的な分析手法」について知りたい方は、下記のリンクにて解説しています。

定性的な5つの評価指標
ICOトークンを定性的に評価する5つの評価指標について解説します。海外のベンチャーキャピタリストの多くは、下記の指標をもとに判断していることが多いです。
- Team:チーム
優れたチームが運営しているか。経営者、役員の過去の経歴などが、進行中の製品と適合しているか。 - Product:製品
製品が進行しているか。作ろうとしている製品が具体的かどうか。 - Community:コミュニティ
トークンを支えるコミュニティが強いか。例えば、ビットコインであれば開発者やマイナーなど、そのトークンを支える人々がアクティブかどうか。
- Token Mechanics:トークンの仕組み
トークンの仕組みが優れているか。どのトークンを保持していることでのユーティリティ(有用性)などが高いか。 - Merket Selection & Timing & Suitability:市場選択、タイミングと適合性
市場の選択が適切か?ブロックチェーンや分散型台帳の仕組みとの適合性が高いか。
❶ Team:チーム
チームとは、そのプロジェクトに関わるチームがいかに優れているか?という点に注目して評価します。
ICOトークンは、通常の株式市場よりも早い段階から資金調達を行うことが多いため、そのチームがどれだけ優れていて意欲的かどうかが極めて重要な評価軸となります。
また、その開発するプロダクトに適した人材かどうかも重要なポイントです。フィンテックに関わるプロダクトなのに金融出身者がいない場合や、ゲームに関するプロジェクトなのに、ゲーム開発者がいない場合は注意が必要です。より適合した人材が集められている方が、将来性が見込めると考えます。
❷ Product:製品
プロダクトは、作ろうとしている製品が、市場に求められているのか?という点に注目します。また、しっかりとロードマップに従って開発が進められているかについても注意します。
つまり下記の点に注目します。
- 作ろうとしているプロダクトが将来性があるか?
- プロダクトはきちんと進捗しているか?
いくらホワイトペーパーでは巨大なビジョンを掲げていても、プロダクトがない、見通しがないのはかなり不安です。今はなき未開の技術を開発するより、すでに持っている自社技術を組み合わせわせて実現する方が現実的です。
❸ Community:コミュニティ
ICOのビジョンに共感している個人投資家が集まるコミュニティがあるかも重要です。例えば公式のLINE、Facebook・Telegram等をのぞいて見るのも良いでしょう。投機的な投資家が多いコミュニティは値段が乱高下し、健全な環境ではありません。
また、コミュニティに開発を委ねているEthereumのようなトークンの場合は、それら開発者コミュニティが活発に活動しているかも注目します。
下記のCryopto Misoでは、Cryptoの開発のコミット数を見ることができます。つまりどれだけ開発が活発かどうかを見ることができます。開発が芳しくないトークンは投資を見送るのが賢明でしょう。
❹ Token Mechanics:トークンの仕組み
トークンの仕組みは、そのトークンがもつ「発行モデル」や「ユティリティ」等に着目して評価します。
極端な例を挙げると、例えば、発行体が「無限に発行できるトークン」だった場合、価値を維持することは難しいでしょう。またそのトークンの「使い道(ユティリティ)」がゼロだった場合も、トークンの価値を維持できません。
ユーティリティトークンとセキュリティトークンの価格産出方法は?でより詳しく解説していますので、「定量的な分析手法」と深く関わる部分です。トークンとしての本質的価値に着目して分析します。
❺ Merket Selection & Timing & Suitability:市場選択、タイミングと適合性
選択している市場が、そもそも需要が大きいか注目する必要があります。またその製品を投入するタイミングが適切でなければ競合にシェアを奪われることになります。
例えば、フィンテックであれば「莫大なマーケット」が広がっていますが、カジノやギャンブルであればどうで絵消か?市場規模自体が小さければそれだけ成長余力が少ないということです。この視点は案外軽視されがちですが、そのプロダクトが素晴らしいかとは別に、そのマーケット自体が大きいかどうかも注目する必要があります。
また、仮想通貨市場は多くの競合他社がいる中で、優位性を保つ必要があります。既存の金融業界やVISAなどのクレジットカード業界、LINEなどの新興企業など、多くの企業の動きを予想しながら、その製品の投入タイミングが適切かどうかも判断する必要があります。
その他の見ておきたい5つのポイント
1. ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは端的に言うと事業計画書です。ICOで資金調達をして、「何を」「どうやって」「いつ」作るのかが記載されています。
このホワイトペーパーの内容が曖昧だったり不明瞭の場合は投資しない方が良いでしょう。逆に、しっかりとした計画やプログラムの仕様等が書かれているプロジェクトは期待できます。
下記に有名な国内ICOのホワイトペーパーのPDFへのリンクを記載します。
LIQUIDのホワイトペーパー(PDF)
COMSAのホワイトペーパー(PDF)
2. 経営陣
実現するプロダクトに適した経営陣が組まれているかも非常に重要です。金融のプロダクトを作るのには、金融出身者がいた方が実現性は高いでしょう。華々しい経歴かどうかより、プロダクトとの親和性です。
3. 流動性、取引高
多くの取引所に上場しているトークンであれば、より多くの人に買われる可能性があるという点で優位性があります。
各国の規制などで、そもそも上場が難しい仕組みを入れているトークン(例えば、匿名性が高いトークン)は、広く使われることが難しいというビハインドを持っています。投資するのであれば、より広く多くの人が買うことができるトークンを選びましょう。
4. 金融庁、政府から認可があるか
金融庁や政府に認可されている、取引所や事業所が発行しているかも大切です。
もし未認可の場合、不測の事態が起きても法律で守ることができません。自己責任となります。
5. 報告がこまめになされているか
株式市場では四半期ごとに情報を開示責任があります。
ICOであっても、プロジェクトの進行を定期的に報告しているかどうかがとても大切です。報告がないとプロジェクトが進んでいるか不明料で狼狽売りによる価格の乱高下があります。
私がオススメするICO
上記指標から判断した結果、私が最もオススメするICOは「LIQUID(QASH)」です。LIQUIDについて興味を持たれた方は下記リンクで詳しく解説しています。ぜひご覧いただければと思います。

Liquidは取引所としても、非常におすすめです。BTC、XRP、ETHを最も安く購入することができます。下記の公式サイトから登録可能です。
ICO格付けサイト
どのICOに投資すべきかの判断を自分で行うのがなかなか難しいという方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にオススメなのは「ICO格付けサイト」です。海外のサイトも含めるとかなり多くな格付けサイトが存在します。格付けサイトのスコアを判断材料とするのも良いかと思います。

[…] 関連1優良なICOを見分けるには?重要な9つの指標まとめ 関連2ICOとIPOの本質的な違いとは? IPOは投資の民主化だ! […]