イーサリアム(ETH)は、ビットコインに次いで、仮想通貨時価総額が2位の通貨です。
イーサリアムは仮想通貨の一種ですが、正確にはスマートコントラクトのプラットフォームです。詳しい仕組みについては下記のリンクで解説しています。簡単に言うと、ブロックチェーンを用いたdApp(分散型アプリケーション)を作るのにプラットフォームとして開発されています。
イーサリアム(ETH)の特徴と仕組み – スマートコントラクトを徹底解剖
イーサリアムは2014年に登場し4年以上の歳月を経ていますが、どのような価格推移を辿ったのでしょうか?
目次
イーサリアムの長期の価格推移
イーサリアムの価格推移を2019年1月現在までたどると、上記のようなチャートになります。4つの大きな期間に分けてより詳しく見ていきます。
- トークンセールからホームステッド(Homestead)まで
- ホームステッド(Homestead)からメトロポリスまで
- メトロポリス(Metropolice)からバブル崩壊まで
- 仮想通貨バブル崩壊から現在まで
イーサリアムの大きな節目はやはり、予定されている4つの大きなアップデートです。
アップデート名称 | 時期 |
---|---|
❶フロンティア(Frontier) | 2015年7月 |
❷ホームステッド(Homestead) | 2016年3月 |
❸メトロポリス(Metropolice) | 2017年9月〜4月 |
❹セレニティ(Serenity) | 未定 |
イーサリアム(ETH)のロードマップ。4つのアップデートの内容と2018年以降の内容を詳細に解説。
現在は、3つめのメトロポリスの真っ最中であり、最終アップデートセレニティ(Serenity)に向けて開発しています。
これらのアップデートは、イーサリアムの価格形成に大きな転換点となることが多いです。それだけ機能的にも経済的にも多くのアップデートがなされます。
また、2018年のバブル相場の崩壊も大きな転換点でした。それら2つを組み合わせて4つの期間に分け、詳細に分析することは意味のあることだと考えます。
① トークンセールからホームステッド(Homestead)まで
イーサリアムは、ご存知ない方も多いかと思いますが、イーサリアムは初め、トークンセールによって、初売り出しが行われました。
2014年7月22日~8月5日までに2000ETHの販売が行われました。当時の1ETHの販売価格は、およそ0.3ドルです。日本円にすると30円程となっています。
そこから2016年まで価格はかなり低い状態を維持していましたが2016年3月のアップデート「ホームステッド」に向けて価格が上昇し始めます。
イーサリアムが実用化に向けてETH需要が高まることが考えられたためこのような上昇相場を作り上げました。
② ホームステッドからメトロポリスまで
ホームステッドでは、下記の通り大きな修正がされました。このあたりから、イーサリアムを活用してどのようなアプリが作れるのか模索され始めました。
- 新しいオペコードの追加
- スマートコントラクト記述の言語のようなものです。
- GASコスト調整
- GASコストを21000から53000にアップ。GASについては下記で解説しています。
- 【図解】イーサリアムのGas(ガス)とは?計算方法を解説!
- 署名検証の厳格化
- GASが足りない場合処理されないように
- 難易度調整アルゴリズムの変更
- マイニング難易度調整のアルゴリズムです。イーサリアムはプルーフオブワークでマイニングされています。
イーサリアムのマイニングの仕組み。マイニングを始める方法や「いつまで」PoWで採掘可能?徹底解説。
長期的な上昇相場は、2017年の6月ごろまで続きました。ところが、次期アップデートのメトロポリスを2017年の8月に控え下落局面へと転換します。
③ メトロポリス(Metropolice)からバブル崩壊まで
数ヶ月間の下落局面を迎えていたイーサリアムですが、メトロポリスのアップデートによって、さらなる上昇相場を迎えることとなります。
まさにバブルのごとく上昇し続け一時は16万円の値をつけました。トークンセール時は30円だったイーサリアムは実に5000倍以上の価格上昇をしましたが、その夢は長くは続きませんでした。
ちなみにメトロポリスのアップデートは、現在もまだ途中段階で、8月の時点ではたかだか「セキュリティ強化」がなされた程度だけでした。いかにファンダメンタルとかけ離れて、価格が上昇していたことが分かります。
ちなみにバブル相場を作り上げた原因の1つはイーサリアムを用いたICOブームであり、詐欺まがいのICOもイーサリアムを用いて行われました。
④ 仮想通貨バブル崩壊から現在まで
詐欺的ICOと、猛烈な投機需要に支えられて価格上昇を成し遂げたイーサリアムですが、その崩壊の度合いも非常に大きく90%以上の下落しました。
下落要因については、詳しくは下記のリンクで解説しています。

詐欺的ICOで調達されたETHは無残にも大量に売られることとなったのが、イーサリアム下落の大きな一因です。
イーサリアムの将来とこれから
このように価格推移を見ていくと、イーサリアムはアップデートとともに華々しい上昇を続けてきましたが、
イーサリアムを利用した詐欺まがいの資金調達により、価格が大きく毀損し、まだ、その影響が現在まで残っています。
しかしながら、イーサリアムはメトロポリスの後半のアップデート「コンスタンティノープル」を1月16日に控えてきます。この変更は、EIP1234のマイニング報酬を減額するという、「かなり価格にポジティブ」なアップデートです。
※2019年1月16日最新 コンスタンティノープルは致命的なバグが見つかり延期されました。リリース日はわかり次第再度アナウンスします。
イーサリアムのコンスタンティノープルとは何か?わかりやすく解説
少なくとも現在は、イーサリアムチャートは底を打ったと言える状況となっており、さらに強力なアップデートが控えていることを考えると、上昇トレンドはしばらく続くと考えても良いでしょう。
また、このアップデート後の次なる布石として、progPoW、ethereum1x構想などが進んでおり、2019年は長期的に見てもイーサリアムは暗いトンネルを抜けるのはもう直ぐだと言えそうです。
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