イーサリアムにProgPoWの実装が決定。実施時期や仕組みについて解説

イーサリアムのコア開発者会議で、イーサリアム開発チームは、マイニングアルゴリズム「ProgPoW」の実装を決定しました。

イーサリアムは最終的には、PoW(プルーフオブワーク)からPoS(プルーフオブステーク)へ移行するのですが、ProgPoWは、その前段階のアップデートとされています。

とうとうProgPoWの実装が決まったわけですが、このProgPoWを実装による市場への影響はあるのでしょうか?ProgPoWの仕組みとともに解説していきます。

なおイーサリアムの仕組みを知りたい方は下記のリンクで詳しく解説しています。

イーサリアム(ETH)の特徴と仕組み – スマートコントラクトを徹底解剖

イーサリアム開発者コミュニティはProgPoWの実装に仮合意

「git logo」の画像検索結果

イーサリアムの待望のアップデート「コンスタンティノープル」の実装を1月16日に控えた仮想通貨イーサリアムですが、その次のアップデートとして「ProgPoW」となることがイーサリアム開発者コミュニティで仮決定されました。

コンスタンティノープルについて詳しくは下記のリンクにて解説しています。

イーサリアムのコンスタンティノープルとは何か?わかりやすく解説

一時は「コンスタンティノープル」と同時期に実施する提案もなされましたが、無謀だとその提案を棄却しました。より安定的に実装できる十分な時間を確保した上で「ハードフォーク」される予定です。

ProgPoWの実施時期は?

「calendar icon free」の画像検索結果

今回の会議ではあくまで実施する方向で合意しただけであり、明確な実施時期についてはこれから決定していく方針です。

コア開発者は、今回のアップデートのテストにどの程度の時間が必要かを議論している最中です。しかしながらASIC耐性によるマイナーの中央集権化を防ぐためにもコンスタンティノープル実装の1月16日から「数ヶ月以内」に実施すべきだろうと述べています。

ProgPoWとは何か?

Ethereumキャスパープロトコルとは何ですか? 短期集中コース

そもそもProgPoWとはどのようなものなのでしょうか?

ProgPoWは、ASIC耐性がより強化された、イーサリアムのマイニングアルゴリズムの一つです。イーサリアムの現在のアルゴリズムは「Ethash」ですが、このアルゴリズムもASIC耐性を強く持つアルゴリズムとして知られています。

Ethashについては下記のリンクで詳しく解説しています。

イーサリアムの「Ethash」とは? アルゴリズムとASIC耐性の仕組み

しかし、このEthashアルゴリズムもASIC耐性を持ったアルゴリズムでしたが2018年以降対策が進み専用マシンが開発されてきています。

例えば、2018年4月にマイニングマシン製造最大手bitmain社が発表した「アントマイナーE3」がそれにあたります。また、同年9月には、マイニングマシン製造ベンチャーのLinzhi社もEthashに対応したASICの発売予定を発表しています。

現状のEthashのASIC耐性状況

しかしながら現状のEthashも、専用マシンが開発されてはいるものの、限りなく分散化されているアルゴリズムです。

下記が主要なアルゴリズムのASICマシンの効率ですがEthash以外のアルゴリズムのほとんどが数十倍から数千倍の効率を誇っており、この効率によってマイナーの寡占化を進め51%攻撃をしやすい状況を作り出しています。

アルゴリズムASIC効率
SHA2561000倍
Scrypt and NeoScrypt
1000倍
X11 and X16R1000倍
Equihash100倍
Cuckoo Cycle100倍
CryptoNight50倍
Ethash2倍

あくまでProgPoWは、先手を打つアップデートだと言えそうです。このような対応がマイナーコミュニティの健全さをイーサリアムが保っている一因です。

下記のリンクにてイーサリアムが非常に非中央集権的であることを解説しています。

イーサリアム(ETH)は中央集権なのか? ビットコインと分散性を比較

マイニングプールの寡占化が進むと何が問題か?

ProgPoWは、ASIC耐性をより強化するマイニングアルゴリズムだとご理解いただけたかと思います。

しかし、なぜイーサリアム開発者コミュニティはここまでして、ASIC耐性を強化したいのでしょうか。現状のEthashでさえも、他のアルゴリズムと比較したらかなりの耐性を持っていますし、対策を急ぐ必要がないと思う方もいるかと思います。

しかしASIC耐性を持っているかどうかが、イーサリアムの健全な発展を望むのならば最も重要な要素です。ASIC体制が必要な理由は下記の二点です。

ASIC耐性が必要な理由
  • マイナーの分散化を進めることで、51%攻撃を防ぐことができる
  • 独占的なマイナーを生み出さないことで、開発者主導での開発が進められる

51%攻撃を防ぐことができるという点については、多くの記事でも言及されていますし自明だとは思いますが、もう一つ重要な点としては「マイナーの暴走」を防ぐ意味もあります。

実際にビットコインキャッシュは、特定の独占的なマイニングプールによってハッシュレートが維持されていました。そのため、マイニングプールが経済的に不利なアップデートを許さなかった場合、開発を進めることができません。健全な開発を進めるためにも、マイニングプールの分散化は必須の要素です。

ProgPoWアップデートによる市場への影響

ProgPoWアップデートが行われることで、短期的にETHの価格が動くとは考えにくいです。

しかしながら、このアルゴリズムによってマイニングがより分散化されるため、ハッシュレートの安定を生み出します。例えば、大規模マイナー1社によってハッシュレートが支えられている通貨は、その一社の動向によって大きくハッシュレートが動くため好ましい状況とは言えません。

よって、ProgPoWアップデートは、長期的に見てポジティブに働くと考えられます。イーサリアムは、直近のハッシュレートが下げ止まったとは言え、不安定な状況が続いています。このアップデートによってよりハッシュレートの安定が望めます。

まとめ

ProgPoWの仕組みや実施時期に関して解説しました。

ProgPoWの実施については実施する方向で話を進めていくということが決定しただけです。今後アップデートの時期などは開発者コミュニティでしっかりと議論された上で決定されていきます。

このアップデートによって市場への影響は、かなり限定的だと考えられますが、長期的に見てハッシュレートの安定性を生み出すことができるためネットワークにとってはポジティブです。

イーサリアムのより健全な利用と発展に大きな一歩を踏み出すこととなりそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください