イーサリアムは、まだ開発途中のプロジェクトです。開発の初期段階から、4つのアップデートが計画されており、計画通りに開発が進められています。
この記事では、イーサリアムの過去のアップデートの内容を詳細に解説するとともに、将来行う予定のアップデート内容についても解説します。
なおイーサリアムの仕組みを知りたい方は下記のリンクで詳しく解説しています。

目次
4つのアップデートと現在の状況
イーサリアムは4つのアップデートを経て開発が完了し最終形になる予定です。
アップデートは下記の4つとなっています。
アップデート名称 | 時期 |
---|---|
❶フロンティア(Frontier) | 2015年7月 |
❷ホームステッド(Homestead) | 2016年3月 |
❸メトロポリス(Metropolice) | 2017年9月〜4月 |
❹セレニティ(Serenity) | 未定 |
現在は、3つ目の「メトロポリス」を実施中となります。より正確にはメトロポリスは、前半のビザンチウムと後半のコンスタンティノープルというアップデートがあり、現在は後半のコンスタンティノープルまで終了しています。
アップデート名称 | 時期 | |
---|---|---|
メトロポリス(Metropolice) | ビザンチウム(Byzantium) | 2017年9月 |
コンスタンティノープル(Constantinople) | 2019年2月 | |
イスタンブール (istanbul) | 2020年12月 |
❶. フロンティア(Frontier)の内容
イーサリアムの最初のアップデートはフロンティアでした。
ここでの変更は、簡単に言うとテスト環境のみで動かしていたイーサリアムを開発者向けに開放することでした。Gethと呼ばれるコマンドラインで操作が可能になり、開発者が実際にコードを書いて動かすことが可能になりました。
ここで起きたエラーなどは、いつでも巻き戻せるような状態となっており、フロンティアでバグなどの確認を行った後に、数ヶ月で次の環境に移行する予定でした。
❷. ホームステッド(Homestead)の内容
ホームステッドは、イーサリアムの2つ目のアップデートです。
フロンティアにおいて、致命的なバグが見つからずに安定稼働し続けたことを受けてバージョンアップがなされました。
主な変更点は下記の通りです。
- 新しいオペコードの追加
スマートコントラクト記述の言語のようなものです。 - GASコスト調整
GASコストを21000から53000にアップ。GASについては下記で解説しています。
【図解】イーサリアムのGas(ガス)とは?計算方法を解説! - 署名検証の厳格化
- GASが足りない場合処理されないように
- 難易度調整アルゴリズムの変更
マイニング難易度調整のアルゴリズムです。イーサリアムはプルーフオブワークでマイニングされています。(プルーフオブワークリンク)
フロンティアと異なり、かなり大きなアップデートがホームステッドでは行われました。
❸. メトロポリス(Metropolice)の内容
メトロポリスは、前半のビザンチウムと後半のコンスタンティノープルに分かれています。
ビザンチウムの内容
ビザンチウムでは主に大きく2つの変更が行われました。
- セキュリティの強化
- プライバシーの強化
コンスタンティノープルの内容
コンスタンティノープルでは、5つのアップデートが完了しました。
5つのアップデートのうち非常に重要な変更は3つあります。
- ブロックのハッシュ方法の変更
暗号化の方法を変更します - イーサリアム仮想マシン(EVM)の処理能力向上
- マイニング報酬の減少
マイニング報酬が3ETH→2ETHに変更になります。
コンスタンティノープルのアップデートの詳細と、価格に与える影響について下記で解説しています。

❹. セレニティ(Serenity)
セレニティは、イーサリアムの最終アップデートです。
このアップデートでは、ブロックチェーン業界全体で問題となっているスケーラビリティ問題の解決を行います。
変更内容として大きなものは、「キャスパー」と「シャーディング」です。一つずつ解説していきます。
キャスパー(Casper)実装
キャスパーはプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)に移行する重要なアップデートです。
現在のほとんど全ての仮想通貨は、プルーフオブワークのコンセンサスアルゴリズムを採用しています。実際、プルーフオブワークしか成功例がないといっても過言ではありません。しかし、プルーフオブワークは電力消費やスケーラビリティの問題から最適なアルゴリズムとは言えません。
イーサリアムがプルーフオブステーク (キャスパー)を実装し成功を収めれば、仮想通貨は新たな一歩を踏み出すでしょう。
キャスパーの詳細については下記のリンクで解説しています。

シャーディング(Sharding)
シャーディングは、ブロックを複数に分割して、同時並行で処理していくアルゴリズムです。
ブロックを分割することは、マイナーを分割し同時並行することを意味するので、ハッシュレートが小さくなってしまう問題があります。そのため、このシャーディングはキャスパーとセットで行われます。
シャーディングについて詳しく知りたい方は下記のリンクで解説しています。

あくまでまだ予定されている段階であり確定ではありません。
まとめ
イーサリアムは、世界第2位の時価総額を誇りながら、まだまだ発展途上の通貨だと言えます。
アップデートの内容次第では、価格が大きく変動する可能性がありますし、プロジェクトが失敗する可能性も少なからずあります。キラーイーサリアムと呼ばれている、イーサリアムに対抗する通貨も多数あります。
しかし、イーサリアム開発者コミュニティはかなり活発で、他の通貨の追随を許しません。開発のコミット数もかなり多いです。短期で見れば、乱高下を繰り返しますが長期で見ればかなり期待できるはずです。
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