イーサリアムは中央集権なのか? ビットコインと分散性を比較

イーサリアム(Ethereum)は、キャスパーと呼ばれるプルーフオブステーク(PoS)に移行予定です。

よくあるプルーフオブステーク(PoS)への批判として、「賭け金をステークする量によってマイニング報酬を得やすくなるため、中央集権的なのではないか」というものです。しかし、イーサリアム(Ethereum)は、真に分散化されたコンセンサスアルゴリズムとすべく開発を行っています。

この記事では、イーサリアムが実装しようとしているキャスパーおよびシャーディングについての概要を理解することで中央集権的かどうか理解することが可能です。

現在のコンセンサスアルゴリズムは?

イーサリアムがこれから実装を行おうとしている、プルーフオブステークが中央集権的なのかどうかを理解するためには、まずは現状のイーサリアムのコンセンサスアルゴリズム「プルーフオブワーク(PoW)」を理解する必要があるでしょう。

イーサリアムのPoWは「Ethash」と呼ばれるASIC耐性をもつアルゴリズムです。下記にて詳しく解説しています。

イーサリアムの「Ethash」とは? アルゴリズムとASIC耐性の仕組み

多くの人々は、「プルーフオブワーク(PoW)は分散化されたマイニングアルゴリズムだ」という認識を持っているかと思いますが、それは多くの場合誤りです。

開発者たちは、古くからビットコインで採用されているプルーフオブワークに対して問題点を認識しており、コミュニティでは多くの議論がなされ解決案が議論されています。

プルーフオブワークの問題は一般的には下記の点が挙げられます。

プルーフオブワークの問題
  • プルーフオブワークは膨大な電力を消費し、エネルギーコストが非常に無駄である
  • より高速でより強力なASICを提供できる人や組織はマイニング可能性が高くなる
  • この結果、ビットコインは望むほど分散されていない。下記がハッシュレートの分布グラフです。全体の65%が5つのマイニングプールが寡占しています。
    Ethereumキャスパープロトコルとは何ですか? 短期集中コース
  • 論理的に言えば、大規模プールの5つが協力すれば51%攻撃が可能になる。不正ブロックを承認してしまうリスクがあることになる。

ハッシュレート分布が最たる例ですが、限られた大規模マイニングプールのみがマイニング報酬を獲得しています。その理由は、「規模の経済」が働くからです。大規模にすればするほど維持費や人件費が少なくて済みますから収益性が高まります。つまり、現状の資本主義経済と同じように大規模企業の独占的なマイニング状況を生んでしまうわけです。

ビットコインやイーサリアムが目指していたビジョンは、中央集権のようなピラミッド構造ではなく、分散化されたフラットな構造です。皮肉にもビットコインは、ビジョンこそは優れていましたが、真逆の結果を生んでしまっているわけです。

イーサリアムのロードマップ

イーサリアムの最新のロードマップでは「キャスパー」と「シャーディング」の両方を実装することで、スケーラビリティ問題を解決し、中央集権のアルゴリズムを改善します。

キャスパーについては、下記のリンクで詳しく解説しています。

イーサリアムのキャスパー(Casper)とは何か?わかりやすく図解

この記事では、イーサリアムにおける「キャスパー」と「シャーディング」についての概要について説明します。

キャスパーとは何か

キャスパーとは、イーサリアムにおけるプルーフオブステークです。

2018年6月まではキャスパーFFGと呼ばれるアルゴリズムを実装予定でした。このキャスパーFFGは、PoS/PoWのハイブリッドアルゴリズムで、バリデーター(マイナー)になるためには1500ETHのステーキングが必要でした。

しかしイーサリアムコミュニティは、1500ETHのステーキングが必要になることが中央集権的だとしてこのプランを棄却しました。実はこのキャスパーFFGは創設者のVitalikが提案するプランですが、コミュニティが棄却しています。開発者コミュニティが主導しているところがイーサリアムの良いところです。

新たに提案されたキャスパーは、わずか32ETHのステーキングのみでバリデーターになることができます。現在の価格でおよそ70万円ほどです。より少額でもマイニング報酬を得ることができるため、非中央集権的なアルゴリズムです。

またわずか32ETHデポジットしようが1500ETHデポジットしようが、得られる報酬の比率は同じに設計する予定となっています。つまり多ければ多いほど、より報酬が多くなるわけではなく、一定の利率で還元されるというわけです。

シャーディングとは何か?

シャーディングとは、ブロックを複数に分割して並行で検証(マイニング)する方法です。

いわば道路の車線を増やすような実装です。マイニング報酬が大きなものから、小さなものまでたくさんのブロックがある中で自由にブロックを選び検証することができます。

このシャーディングによって最低32ETHのデポジットのみでバリデーターになることを実現します。

まとめ:イーサリアムは中央集権なのか?

イーサリアムは、現状はビットコインと同じプルーフオブワークアルゴリズムを採用しているため、特定のマイニングプールに報酬が集中していることは確かです。しかし、現状のアルゴリズムもASIC耐性を備えており、ビットコインよりは分散化されていると言えます。

下記が、イーサリアムのマイニングプールの状況です。

Ethereumキャスパープロトコルとは何ですか? 短期集中コース

ビットコインよりは、かなり分散化されていることが理解できるかと思います。

しかしイーサリアムの開発者コミュニティは、この状況以上に分散化され効率化されたマイニングアルゴリズムにしようとしています。上記に説明した、「キャスパー」と「シャーディング」です。

まとめると下記通りです。

  1. イーサリアムは現状「Ethash」と呼ばれるプルーフオブワークが採用されている。
  2. 「Ethash」はASIC耐性を備えており、ビットコインよりも分散化に成功している。
  3. イーサリアムは「シャーディング」と「キャスパー」によってより分散的なプロセスに移行予定

 

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